食安保、製造安保 両立の見本をみた(1)
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阿蘇の入り口で
5月6日(土)雨の降るなかを熊本県菊陽町に向け車を飛ばした。TSMC(台湾積体電路製造)の建築現場を目撃するためである。まず現場を見るのが基本。現場は高台にある田畑を造成して工場用地に変貌させたものである。熊本インターから15分で到着した。阿蘇の玄関口に位置し、熊本空港も目と鼻の先にある。半導体部品は航空輸送で十分に賄える。
1兆円を超える投資による工場建設の現場は想像を絶する迫力を受けた。施工の鹿島建設は250人の現場監督を配置していると聞く。1人の現場監督に10人の現場員がつけば2,500人が働いている勘定になる。大半の方々は飯場暮らしである。この食料分だけでも地元にかなりの金が落ちる。
さらに周囲を見渡すと隣にはソニー工場が稼働している。強力な連係を行う狙いが十分に理解できる。さらに関連部品を製造する工場の建設ラッシュが相次いでいる。あと5年過ぎればこの菊陽町周辺での工場製品製造額は1兆円を超えることは間違いないであろう。
「グルーバル化終焉」という言葉が一人歩きを始めて、世界の変わりようには驚かされるばかりである。代わって「軍事安保、産業安保、食安保」が叫ばれるようになった当世である。言わばブロック経済に様変わりとなったといえる。
当世流にいえば阿蘇地区は「産業安保(産業用のコメ生産)、食安保」両立のお手本になるのであろう。
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