NetIB-Newsでは、日本ビジネスインテリジェンス協会理事長・中川十郎氏の「BIS論壇」を掲載している。
今回は7月17日の記事を紹介する。
近来、グローバル・サウスの雄として南米ブラジルのルラ大統領とともに国際的に活躍しつつあるインドのモディ首相はASEAN(東南アジア諸国連合)の有力国インドネシアを7月7日訪問、インドネシアのプラボウォ大統領と会談。レアアース(希土類)などの資源開発や世界的に脚光を浴びている人工知能・AI産業の育成でも両国が協力することで合意した。メディアは『サウスの両雄資源安保で接近、非米中の経済圏構築、パートナーシップにおける黄金の章が幕を開けた』と評価している。(日経7月8日)
太陽光発電など再生可能エネルギー導入拡大、AI、通信などで提携。原子力発電での技術協力でも合意。インドが得意なデジタル産業分野、医療分野でも人材育成などインドが協力を拡大するという。
しかしインドネシアの貿易に占めるインドのシェアは5%で4位。インドの貿易に占めるインドネシアのシェアはわずかに2%前後という。
インドの人口は15億人で世界最大。インドネシアは2億8,000万人で世界4位。両国ともG20、BRICSのアジアを代表する有力国である。石炭、ニッケル、パームオイルなどの主要産出国であるインドネシアはアジアの資源国として今後発展するとみられる。
今回のインドネシアとインドの経済、政治、外交面での両国の協力強化は今後、隣接するインドネシアと同じ回教圏である、マレーシア、さらにバングラデシュ、パキスタン、イラン、さらにヨーロッパ、アフリカ、中央アジアの結節点でもあるトルコのいわゆるインド、インドネシア、イランのI3、およびトルコのTの関係を強化。グローバル・サウスの雄として発展していくものと思われる。
イランは目下米国と戦争中であるが、中東における有力国で、地理的にも、地政学上も重要なイランとの関係を強化し、インド、インドネシア、イランのI3と中東で地政学、地経学的にも無視できないトルコとの関係強化に日本が率先協力することが望まれる。
かつて日本を訪問された未来学者ダニエル・ベル博士が中央アジア、中東、アフリカでのトルコの重要性を強調されたことがある。トルコは、日露戦争時代から親日的である。
とくに資源の豊富な中央アジアとの関係が深い。近来、日本の援助でボスポラス海峡をまたぐ、橋梁、地下トンネル建設などに日本が協力し、トルコに高く評価されている。また日本の商社がトルコ企業と提携し、中央アジアで病院建設、発電所建設などに協力するなどトルコとの連携を深めつつある。日本も、インド、インドネシア、イラン、トルコという筆者が提唱するI3-T戦略を強化することを提言したい。
<プロフィール>
中川十郎(なかがわ・ じゅうろう)
鹿児島ラサール高等学校卒。東京外国語大学イタリア学科・国際関係専修課程卒業後、ニチメン(現:双日)入社。海外駐在20年。業務本部米州部長補佐、米国ニチメン・ニューヨーク開発担当副社長、愛知学院大学商学部教授、東京経済大学経営学部教授、同大学院教授、国際貿易、ビジネスコミュニケーション論、グローバルマーケティング研究。2006年4月より日本大学国際関係学部講師(国際マーケティング論、国際経営論入門、経営学原論)、2007年4月より日本大学大学院グローバルビジネス研究科講師(競争と情報、テクノロジーインテリジェンス)。








