2024年05月19日( 日 )

東洋建設株主総会、任天堂創業家ファンドYFOの勝利で思惑に突き進むか

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

 27日、東洋建設(東証プライム、東京都千代田区)の定時株主総会が開催され、大株主(28.51%保有、6月13日時点)である任天堂創業家の資産運用会社「ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス」(東京都港区。以下、YFO)が提案していた取締役候補9人のうち7人が可決された。一方、会社提案の取締役候補11人のうち可決されたのは6人。これにより、全取締役13人のうちYMO提案の取締役が過半数を占めることとなった。

 YFOは昨年5月、1株1,000円でのTOB(株式公開買い付け)を東洋建設側へ提案していたが、東洋建設側が賛同せず、TOBは実施できていなかった。今回の結果を受けて、YFOはTOBに向けた協議を新経営陣と再開させるとみられる。

 YFO側の東洋建設投資の狙いは、「中長期的な企業成長を見据えた投資」というよりはむしろ、ファンドとしての売り抜けにあると推測されている。今回の株主総会の結果はYFO以外の株主の思惑も反映したと考えられる。

 なお、東洋建設とYFOとの軋轢について、本サイトもこれまで詳細に報じてきた。ぜひ参照されたい。

【寺村 朋輝】

▼関連記事
任天堂創業家VS東洋建設の争いが泥沼化 6月の定時株主総会で両者は激突(前)』2023年3月20日
任天堂創業家、東洋建設にTOB、インフロニアのTOBは不成立(前)』2022年5月27日

関連記事