2024年05月02日( 木 )

【特別対談】福岡・西中洲にヒカリ、まちをつくる地元の力とは(後)

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(株)LANDICホールディングス
代表取締役社長 兼 グループCEO 中山 朋幸 氏
(株)サエキジャパン
代表取締役   佐伯 岳大 氏

西中洲にカルチャーホテル

LANDICが西中洲で計画しているホテル  外観イメージパース(資料:LANDICホールディングス)
LANDICが西中洲で計画しているホテル  外観イメージパース
(資料:LANDICホールディングス)

 ──西中洲、貴賓館の南側で計画しているホテル計画の現状についてお聞かせください。

 中山 西中洲のホテルプロジェクトは、コロナ禍を経て再始動しており、今秋にも着工の予定で、福岡を代表するカルチャーホテルの開発を計画しています。ホテルは3棟構成で、外観は土の色をモチーフにして、中庭には豊かな植栽を設ける予定です。土から建ち上がった3棟のホテルと植栽豊かな中庭に、いろいろな人がめぐり逢って何かが生まれてくるような、そういった場所にしていきたい。

LANDICが西中洲で計画しているホテル 中庭イメージパース(資料:LANDICホールディングス)
LANDICが西中洲で計画しているホテル
中庭イメージパース
(資料:LANDICホールディングス)

 西中洲というのは、博多区と中央区の接合場所で、当社とサエキジャパンさまがめぐり逢ったように、縁がつながるホテルにできれば。ホテルでは、たとえばアーティストが作品を発信できるような展示だったり、ワークショップだったり、人と人がめぐり逢うためのイベントも開催していくつもりです。

ホテルに設けられるサウナおよびスパ イメージパース(資料:LANDICホールディングス)
ホテルに設けられるサウナおよびスパ イメージパース
(資料:LANDICホールディングス)

 3月1日に開業したseven × seven 糸島は、霞ヶ関キャピタルさま、日本エスコンさま、当社が共同で開発したホテルですが、地域とともに糸島エリアのカルチャーを発信する取り組みに関わることができて嬉しく思っています。西中洲のホテルもそうですが、福岡・九州を感じられる、価値を体験できるホテルにしていきたい。クリスマスアドベントもいつか糸島で開催されることを期待しています。

 佐伯 ありがとうございます。博多駅から始まった現・クリスマスアドベントも、昨年は大名まで拡大できましたが、回って楽しい福岡を体験してもらうためにも、まずは大濠公園までは目指したいと考えているところでした。また、冬のクリスマスアドベントはおかげさまで福岡に浸透してきましたが、夏に福岡全体が盛り上がる新たな風物詩として定着させるため、企画を進めているところです。

地元でつくる福岡のまち

 ──昨年開催された「はかた夏まつり」も御社が主催でした。

 佐伯 日本の夏まつりといえば、盆踊りですが、いろいろな地域で盆踊りはなくなっています。日本の伝統として根付いているけれど、どんどん消えていっているのが現状なのです。地域にとって、誰もが参加しやすい日本の伝統的な祭である盆踊りを、福岡全体で盛り上がる夏の風物詩にしていきたい。昨年は天神の福岡市役所で17日間、博多駅で7日間の夏まつりを開催したのですが、想像以上に多くの方に参加していただき、手応えを得ました。今年は市役所で1カ月、博多駅で10日間と拡大して開催予定です。さらにクリスマスアドベントのイルミネーションよろしく、福岡のまちを提灯でつなぐのも楽しいかなと考えています。どこか昭和を感じさせながら、令和のトレンドも抑えた夏祭りにしていければ。1カ月間にわたって開催することで、福岡の夏の風物詩にして回って楽しい福岡をより体験できるものにしていくため、企画を練っているところです。

 中山 福岡は、東京などの大都市をはじめ世界の人たちと混ざり合うことができるすばらしいまちです。また、面白いまちは地場企業が活躍するまちです。もちろん、資本力ある大手企業にしかできないまちづくりというのもあるとは思いますが、大手企業だけだったら、クリスマスアドベントはできなかったでしょう。気概ある地元企業のサエキジャパンさまだったから、賛同する地元企業も多いのだと思います。地元の人たちがコミュニケーションを活発にしていかないと、まちも人も成長しません。

 さらに、福岡だけでなく九州には世界に誇るすばらしいカルチャーや風情が溢れています。糸島もそうですし、熊本の阿蘇、大分の湯布院や別府、鹿児島、長崎にも見て触れて食べて楽しいところは、挙げればキリがありません。そういった意味でいえば、やはり福岡は九州のゲートウェイなのです。当社は不動産開発を主体に、九州各地で事業に取り組んでいますが、そういった企業だからこそ、九州各地をつなげる取り組みを進めていかなければならないと考えています。

(了)

【永上 隼人】

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<COMPANY INFORMATION>
(株)LANDICホールディングス

代 表:中山 朋幸
所在地:福岡市博多区中洲5-3-8 アクア博多6F
設 立:1993年12月
資本金:1億3,300万円(グループ合計)
URL:https://www.landic.com

(株)サエキジャパン
代 表:佐伯 岳大
所在地:福岡市中央区清川3-21-10
設 立:2007年8月
資本金:300万円
URL:http://saekijapan.jp


<プロフィール>
中山 朋幸
(なかやま・ともゆき)
1967年3月17日生まれ、福岡市出身。マンションデベロッパー勤務を経て93年12月に(株)ランディック(現・(株)LANDIC ホールディングス)を設立。代表取締役に就任した。22年5月には、マンションデベロッパーの団体である(一社)九州住宅産業協会の副理事長に就任した。

佐伯 岳大(さえき・たかひろ)
1981年4月1日生まれ、福岡県鞍手町郡出身。2007年8月、(株)サエキジャパンを設立。13年からは、「福岡クリスマスマーケット(現・クリスマスアドベント)」を主催。総合プロデューサーとして、クリスマスアドベントを福岡の冬の風物詩にまでつくりあげた。

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