宿泊税の使途に関する議論の活性化を 福岡の賑わい創出に観光産業がはたす役割
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福岡市ホテル旅館組合
((株)プレジデントハカタ)九州・福岡の玄関口、JR博多駅から徒歩7分程の場所で、30年に渡り多くの来福客を迎えてきたプレジデントホテル博多。(株)プレジデントハカタの代表取締役・友杉隆志氏は福岡市ホテル旅館組合の組合長も務め、地場ホテル・旅館事業者と福岡市との橋渡し役も担う。ホテルオーナーとして、組合長として、市の観光産業の活性化に向け挑戦が続く。
運営ホテルは5棟 進行中の開発計画も
プレジデントホテル博多を筆頭に、プレジデントホテルアネックス、ホテル ラ フォレスタ、ホテルサードプレイス博多ならびに同アネックスの計5棟のホテル運営を担う(株)プレジデントハカタ。3億円を投じた大規模リニューアルに、新規ホテルの運営受託と、コロナ禍でも積極経営に取り組んだ結果、総客室数は480室を超え、客室単価も向上。稼働率は90%を超えるまでに回復を遂げた。
さらなる事業基盤の強化に向けた開発計画や、社員主体で考案された省力化とマルチタスク化も進行中。今秋には、社員やその家族向けにプレジデントホテル博多1Fの「和創作呑処 緩音」でも使用している魚沼産コシヒカリを贈る福利厚生の充実も予定しており、物価高騰や人材不足が顕著化するなか、強固な経営基盤の再構築に向け、諸々の取り組みを進めている。
宿泊税の使途について議論の活発化を
福岡県旅館ホテル生活衛生同業組合の下部組織にあたる、福岡市ホテル旅館組合を昨年3月に発足させ、組合長を務める友杉隆志氏。現在、事業者の意見を集約し、宿泊税のより良い活用を目指して福岡市への提言を行っている。
「観光資源の魅力向上を目的に導入された宿泊税ですが、その情報共有の在り方に関しては課題があると感じています。たとえば、ライトアップによる福岡城の幻の天守閣が話題になりましたが、宿泊税が活用されたイベントだとどれだけの市民が認知しているでしょうか。また、令和6年度はMICE拠点の形成に係る事業費として約7億2,000万円が計上され、このうち宿泊税から約6億9,000万円が充当されていますが、その使途に関してはより明確にすべきだと考えています。宿泊税は我々観光事業者にとっては血税であり、本来観光資源の魅力向上、旅行者の受入環境の充実など、観光振興を図るための目的税であることを忘れてはいけません」(友杉氏)。
宿泊税導入から4年。福岡市と交渉すべき課題があるなか、友杉氏は昨年11月、自民党福岡市議団会長でもある伊藤嘉人市議(南区)の協力を得て、市内8組合の組合長に発起人となってもらい、「福岡市観光産業振興議員連盟(通称:観議連)」を発足させた。観議連では、将来にわたり福岡市の観光資源となるような景観形成や、宿泊税の使途についての勉強会を開催している。勉強会では福岡城天守閣が実在した場合の再建費や、志賀海神社やリニューアルも進む西公園内の光雲神社の魅力向上(石畳化など)に宿泊税を充てるといった、歴史を活かした観光振興の実現可能性について意見が出ているという。
「市内には午後2時~5時に観光する場所が少ない『2時・5時問題』がある一方で、福岡城跡地をはじめ寺社仏閣など、歴史的建造物は多く、その背景を含めもっとPRすべきだと思っています。そのうえでそれぞれをつなぐ回遊性の高い観光ルートを提案できれば市内での滞在時間にも変化があるのではないでしょうか。こうした整備事業や観光キャンペーンを打つ際の割引サービスの補てんとして、宿泊税の一部を基金として積み立てることができないか、観議連で検討のうえ、要望書をまとめているところです」(友杉氏)。
宿泊需要が盛況な今こそ、福岡市の魅力を国内、海外に発信する絶好の機会である。だからこそ、宿泊税の使途については、草の根レベルの議論の活性化が必要なのだ。
<COMPANY INFORMATION>
(株)プレジデントハカタ
代 表:友杉隆志
所在地:福岡市博多区博多駅前1-14-7
設 立:1968年7月
資本金:2,400万円
TEL:092-411-6659
URL:https://president-hotel.jp福岡市ホテル旅館組合 事務局
組合長:友杉隆志
所在地:福岡市博多区博多駅前1-14-7
(プレジデントハカタ内)
設 立:2023年3月
TEL:092-411-3001法人名
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