2024年10月15日( 火 )

みずほFGが楽天カードへ出資 楽天経済圏の取り込みへ前進

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 30日、楽天グループ(株)(本社:東京都世田谷区、三木谷浩史代表)は、同社連結子会社の楽天カード(株)と(株)みずほフィナンシャルグループ(本社:東京都千代田区、木原正裕代表)が資本業務提携の検討で合意したと発表した。みずほFGによる楽天カードへの出資となる。なお、同日、同社は4月1日付で発表していたフィンテック事業再編について取りやめることも併せて発表した。

 今年に入って楽天モバイルの業績が上向いているとはいえ、楽天グループは膨大な累積赤字と、これまた膨大な社債償還を控えている。同社は資金調達のために、これまで楽天銀行の上場や、みずほ証券による楽天証券への出資などを受け入れてきたが、同社の最大の虎の子である楽天経済圏の行方が注目されていた。

 楽天経済圏のかなめは決済機能を司る楽天カードで、楽天グループの連結子会社として残されたままだったが、昨年のグループ再編で、これまで楽天グループに紐づいていた楽天ポイント事業と楽天ペイ(オンライン決済)事業が楽天カードの統括下になっていた。これによって楽天経済圏の機能が楽天カードに集約されることとなり、楽天経済圏を楽天グループから切り離す準備がすすんでいることがうかがわれていた。

 今回の楽天カードに対するみずほFGの資本業務提携の発表は1つの節目となるが、提携の行方が、楽天経済圏と楽天グループ全体の今後の動向を決めるものとして引き続き注目される。

【寺村朋輝】

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