2024年04月20日( 土 )

生き残りをかけた中小警備企業の攻め手とは~地場2社対談(2)

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(株)拳和警備保障 石松 剛 氏
東洋警備保障(株) 岩崎 徳男 氏

 地場警備会社は今後、どのように生き残りを図っていくか。社会不安の高まりなどから警備業に対する需要は高まっているが、業界は売上高1,000億円を超える大手2社の強さが際立つ構造となっている。この状況下で、9,000社を超える警備業者はいかに生き残っていくか。特徴ある2社に対談していただいた。

 ――それほどのリスクを抱えながら保安警備を手がけられているのには、創業時の思いがある。

 石松 ご存じのように、万引きは犯罪の入り口になっています。私自身が空手をやってきたなかで、他所様にないような立派な警備会社を作ろうと思い立ち、それで会社名は「拳和」。拳とは、空手の世界では心。「心をもって和となす」という名前に至ったのです。いまは音を上げる隊員さんも増えてきましたから、あまり立派なことは言えないのですが。(笑)

 岩崎 空手経験者がほとんど、ということですか。

 石松 空手でもなんでも、要するに武道の経験があるのとないのとではまったく違いますから。柔道、剣道、いまちょうどキックボクシングをしている者もおりますが、何かあったときにお店やお客さんを守るには、まず自分の身が守れないとしようがありません。そういうことで、ずっと空手は続けています。

 ――先日は香川県警から表彰されていましたね。

taidan 石松 業務中ではなかったのですが、盗撮犯を捕まえて表彰いただきました。ですが、保安警備はやはり誤認絡みのリスクが高く、あまりおすすめできません。(笑)

 岩崎 4号警備業務を主として手がけられているのは、日本全国で警備会社は9,000社程度あるなかで非常に少ないですよね。というのも、4号警備は本当にリスクが大きいんですよ。そこを主たる業務としてされているのはすごいと思います。管理が難しく誤認の危険性もあり、そしてわざと万引きしたように見せかけて誤認させられるリスクもある。

 石松 「引っかけ」ですね。盗んだふりをして誤認させて、損害賠償請求する。うちの会社ではないのですが、数年前に県内のある所で、数百万円それで取られていました。ネクタイを3本持っていた客を見ていたら、角を曲がったところで手元にネクタイがない。それで声をかけると、「ここじゃなんだから、部屋に行こう」と相手ほう方から言い出す。それで、荷物を調べたり話を聞いたりするのに時間をかけたあげく、結局盗んでいない、とわかる。すると、「役所に入札に行く時間だった。それが誤認で遅れた」として損害賠償請求される、というわけです。

(つづく)
【聞き手:鹿島 譲二/文・構成:吉井 陸人】

<COMPANY INFORMATION>
(株)拳和警備保障
代 表:石松 剛
所在地:福岡市博多区比恵町2-33
資本金:1,000万円
TEL:092-477-9534
FAX:092-477-9535

<COMPANY INFORMATION>
東洋警備保障(株)
代 表:岩崎 徳男
所在地:北九州市小倉北区今町1-1-41
資本金:1,000万円
TEL:093-591-1785
URL:http://www.toyokb.co.jp/

 
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