常識を打ち破る革新的な取り組みで水産の未来を再定義する|三陽グループ

<COMPANY INFORMATION>
三陽グループ

代 表:長谷煌一郎
所在地:福岡市中央区長浜2-3-6 三陽長浜ビル3F
設 立:1991年3月
資本金:1,000万円
TEL:092-718-7834
URL:https://sanyo-jp.co.jp


 三陽グループでは、漁業を手がける海興水産(株)やマグロ養殖の(株)西山水産、飲食事業などを手がける(株)三陽フードシステムなど12でグループ売上高は380億円を超える。漁獲から加工、販売までを一気通貫で行う高収益モデルを確立した同グループは、その飽くなき「挑戦」のモットーのもと、さらなるDXを加速させている。

【目次】

水産業界の課題に
テクノロジーで挑む

 水産業界が抱える喫緊の課題の1つが、加工現場における人手不足と高齢化だ。この日本の社会全体の課題に三陽グループはテクノロジーの力で挑む。

 現在、島根県浜田市で計画されている大規模水産加工場の建設では、AIを使った選別機の導入が予定されている。従来、人力で行われていた選別作業をAIが担うことにより、作業効率は人力の何倍にも向上する。これは単なる機械化ではなく、高齢化が進む業界における持続可能性を担保するための、未来を見据えた戦略的な投資にほかならない。また、この加工場は山陰地方で水揚げした魚を、トラック物流の効率化を見据えて大阪や東京へ運ぶための中継地点としても機能し、物流リスクの分散化と効率向上を両立させている。

 さらに、人材の確保はBtoC戦略とも連動している。三陽グループはBtoBが中心であり、世間一般には、あまり社名を認知されていなかった。こうした現状を打破するには、一般消費者に社名を認知してもらう活動が不可欠だと考えたという。

三陽食堂
三陽食堂

    福岡市地下鉄の駅などに設置された冷凍アジフライ自販機や、アンテナショップ「三陽食堂」の展開は、BtoCの利益獲得だけでなく、結果的に「認知度向上につながる活動」となり、学生を含む若手人材のファーストチョイスに入り込むための重要な採用戦略となっている。

デジタルが変革する
ブルーエコノミー

社屋外観
社屋外観

    三陽グループの未来志向の挑戦は、地球規模の環境問題と最先端のWeb3技術を結びつける新たな「ブルービジネス」へと発展している。三陽グループは現在、新会社「イグニッションブルー」の設立に向けて動いている。手がけるのは、ホタテの貝殻を資源として循環させる事業だ。

 従来、ホタテの貝殻は産業廃棄物として処理されていた。しかし、三陽グループはこの貝殻を仕入れ、粉砕してセメント・コンクリートの材料やプラスチック原料、肥料など多様な用途に販売する循環ビジネスを構築する。そのなかで注目すべきは、貝殻をコンクリートに混ぜ込んで魚礁(ぎょしょう)とし、そこから生えてくる海藻がCO₂を吸収する仕組みを利用して、ブルーカーボンクレジット(海洋生態系を活用したCO₂吸収量の認証制度)としての販売を計画していることだ。

 この事業は、カーボンクレジットに関するノウハウを持つベンチャー企業「aora」と共同で推進されている。aoraは、NFTやWeb3の暗号技術も保有しており、その技術を組み込むことで、カーボンクレジットの創出・認証の仕組みを確実なものとする。なお、このプロジェクトは、スタートアップとして立ち上げられ、税制優遇や資金調達のしやすさを最大限に活用する戦略が取られている。

自分専用マグロを提供

 マグロの養殖事業においてもデジタル技術が導入される。マグロの養殖はイケスに入れてから出荷まで1年半から3年近くもの間、コストしか生まないという課題があるが、三陽グループは、これを変革しようとしている。NFTの技術を活用することで、イケスに入れた瞬間から売上が立つビジネスモデルを考案しているのだ。

 具体的には、細分化されたマグロの権利を海外の一般消費者向けに販売し、旅行者が日本滞在中のホテルや寿司店にて「自分専用のマグロ」を食べるという体験を提供する構想であり、養殖事業の収益構造を一変させる可能性を秘めている。

グローバル展開で
高付加価値化を徹底

アジフライ
アジフライ

    三陽グループが高収益を上げている背景には、川上(漁獲・養殖)から川下(販売)までを一貫して手がける体制と、商品への徹底的なこだわりがある。とくに主力商品の「アジフライ」は、長崎県松浦で獲れた鮮魚を国内工場で生から加工し、超高速冷凍技術を用いて鮮度と食感を保つことで、海外の安価な製品とは一線を画す高付加価値商品となっている。また、加工過程で出る魚の頭や骨などの不要部位を養殖用のエサとして再利用するなど、循環型のビジネスモデルも実践している。

 そしてこの付加価値戦略が、ついにグローバル市場へと展開する。2026年シーズン、メジャーリーグ(MLB)のサンディエゴ・パドレスの本拠地であるペトコ・パークに「三陽食堂」を出店することが決定した。これはパドレス側が、みずほPayPayドーム福岡で販売している同社のスタジアムグルメ「鷹のアジフライ」の売れ行きに注目したことがきっかけだという。ちなみにペトコ・パークは、スタジアムグルメがおいしいことで知られるスタジアムである。

 アジフライを3枚セットやサンドイッチとして提供し、メキシコに近い土地柄を考慮してサルサソースとの組み合わせも提案するなど、現地の食文化に合わせた工夫も凝らされている。このグローバル展開は、三陽の認知度を世界規模で向上させる重要な一歩となるだろう。

 AIやWeb3といった最先端のテクノロジーを導入し、既存事業の効率化と未来型のビジネスモデルを両輪で推進する三陽の姿は、デジタル化の波が押し寄せる現代において、業界の壁を越えて成長を続ける企業の理想像を示している。挑戦を恐れず主体的に行動し、失敗を糧にできる人材を求める同社は、これからも自らの手で水産業の常識を塗り替え、業界を牽引していく。


<求人情報>
(株)三陽(三陽グループ)

業 種 :総合水産業
職 種 :営業、事務、飲食事業担当、加工場作業、他
勤務地 :福岡市、松浦市、唐津市、他
採用担当:総務部
TEL :092-718-7834
採用ページ:https://sanyo-jp.co.jp/recruitment/

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