福岡ラジオ3局、RKB、KBC、LOVE FMがラジオ融合を検討 市場縮小で進む再編
(株)RKB毎日ホールディングス(本社:福岡市早良区、佐藤泉代表)は3月25日、完全子会社であるRKB毎日放送のラジオ事業について、九州朝日放送(株)(KBC、本社:福岡市中央区、森君夫代表)およびラブエフエム国際放送(株)(LOVE FM、本社:福岡市中央区、宮崎泰代表)と融合に向けた検討を開始すると発表した。具体的な統合手法や実施時期は現時点では未定で、今後3社間で協議を進めていくとしている。
今回の動きの背景には、地方ラジオ局が直面する市場縮小と収益構造の変化がある。RKB毎日HDの2026年3月期中間決算によると、同社グループのラジオ部門の収入は4億4,800万円で、前年同期比3.5%減となった。イベント関連の告知CMなどによりスポット収入は増加したものの、番組終了などの影響でタイム収入が減少したことが要因とされる。
一方で、同社グループ全体の業績は大きく改善している。26年3月期中間期の連結売上高は151億8,100万円(前年同期比40.8%増)、営業利益は4億7,400万円(同115.8%増)と大幅な増収増益となった。テレビ部門の売上が堅調に推移したことに加え、システム関連事業の伸長や新規連結子会社の寄与が業績を押し上げた。
放送関連事業の内訳を見ると、テレビ部門はスポット広告や大型スポーツイベント関連の放送などにより増収となり、同事業全体も黒字化した。これに対しラジオ部門は収益規模が小さく、放送事業全体のなかでも相対的な存在感は低下している。こうした構造変化のなかで、ラジオを単独事業として維持するよりも、局を越えた連携によって効率化を図る必要性が高まっているとみられる。
RKBグループは近年、事業ポートフォリオの多角化を進めている。システム関連事業は自治体のDXやセキュリティ関連需要を背景に売上を伸ばしており、同中間期の収入は39億200万円と前年同期比15.6%増となった。また、ECや商品企画などを手がけるライフスタイル事業も新たに拡大している。こうした動きは、放送事業だけに依存しない経営構造への転換を示している。
今回の発表では「融合」という表現が用いられており、単純な経営統合ではなく、番組制作や営業、設備運用などの共同化を含む幅広い連携が検討される可能性がある。具体的な形態は明らかになっていないものの、ラジオ局同士が制作や営業機能を共有することでコストを抑えつつ、地域メディアとしての発信力を維持することが狙いとみられる。
地方ラジオ業界では、広告市場の縮小やリスナー層の高齢化などを背景に、単独経営の難しさが指摘されてきた。今回のRKB、KBC、LOVE FMによる融合検討は、こうした環境変化への対応策として位置づけられる。九州の主要ラジオ局が連携に踏み出すことは、地方放送業界全体の再編の動きを象徴する出来事ともいえそうだ。
【寺村朋輝】








