(株)橋口組

地場建設業者の矜持
1959年6月の創業以来、地域に根差した土木建設会社として、半世紀以上にわたって地域のインフラを支え続けてきた(株)橋口組。熊本県内を中心として高速道路工事やトンネル工事、九州新幹線工事などの数々の難工事を手がける一方で、災害などが発生した際には迅速な災害復旧工事にも尽力し、“地域の守り手”として土木建設事業を通じた地域社会への貢献活動を行っている。2016年4月に発生した熊本地震では、各地で道路の寸断やライフラインの停止という過酷な状況となるなか、同社でも発災直後から復旧工事に従事。「熊本高森線大切畑大橋復旧工事」や「俵山トンネルルート」など、重要な交通インフラの復旧・開通に尽力した。
同社代表取締役・高山正輝氏は、「こうした災害時の復旧は、地場の建設業者が担うべき重要な役割ですから、行政とも連携しながら全力を尽くします」と胸を張る。しかし一方で、「こうした災害時の報道では、自衛隊や警察、消防などの方々の救助活動の様子が最初に大々的に報じられますが、そうした方々が救助に行けるように、最初に道路の復旧に当たっているのは、我々のような地場の建設業者なのです」──と、“地域の守り手”としての実態が十分に認知されていない現状を吐露。こうした現状を打破すべく、現在では業界を挙げてメディアとの連携強化を図っているものの、まだ道半ばの状況だ。
熊本のまちづくりへの提言
近年の熊本都市圏は、TSMC進出で一躍バブルに沸いているかに見えるが、国策プロジェクトであるため、大手ゼネコンなどが主導するかたちで、地場の建設業界への直接的な恩恵はそれほど感じられないという。一方で、周辺のインフラ整備を含めた公共事業予算は確保されており、事業量自体は安定している。だが、熊本の建設業界でも各社で深刻な人手不足が続いており、「仕事はあっても人がいないから受けられない」という企業も少なくない。
そうしたなか同社では、業界に先駆けて完全週休2日制を導入するほか、給与水準の向上や教育体制の整備に注力。「他業種と比較しても魅力的な条件を提示できれば、人は来ます」(高山氏)として、着実に若手人材の確保に成功している。
今後の熊本のまちづくりの方向性について、高山氏は建設業者の視点から「防災に強い都市づくり」の重要性を強調する。ただし、単に強固な都市を目指すだけでは不十分だとも指摘し、「グローバル化が進むなか、今後も熊本が発展を続けていくためには、スタートアップ企業や学生起業を支援したり、都市として文化・芸術を発信できる場所を整え、交流・定住人口を増やしていくことが不可欠です」と提言する。
「ビッグカンパニーではなく、ストロングカンパニーを目指す」をスローガンとして掲げる同社が重視するのは、「ビッグ」であることよりも、変化に柔軟に対応し、地域に必要とされ続ける「ストロング」な存在であること。橋口組は、たしかな技術と新しい経営感覚を武器に、これからも熊本の未来を築き、守り続けていくだろう。
【坂田憲治】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:高山正輝
所在地:熊本市南区良町4-10-98
設 立:1959年6月
資本金:9,800万円
URL:https://hashiguchi-gumi.co.jp/

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