(株)リョウ・コーポレーション
九州のインバウンド拡大背景に
運営施設は高稼働で推移
2025年(1~12月)、九州への外国人入国者数は581万人を突破。18年の516万人を大幅に上回り、過去最高を更新した(資料:国土交通省九州運輸局)。
さらに、今年1月は中国からの入国者数が大幅に減少したものの、韓国・台湾を中心に増加したことから、1月単月では過去最高の47.8万人(確定値)を記録。2月、3月の入国者数も単月で過去最高を更新(速報値)した。国別(25年確定値)では、韓国が46.5%で最も多く、中国(21.7%)、台湾(14.1%)、香港(6.5%)、タイ(1.6%)と続く。
大分県の湯布院エリアや別府エリアにおいて、72室の温泉付き宿泊施設を運営する(株)リョウ・コーポレーションの運営責任者・黒木遼太氏は、「コロナ禍が収束した2023年以降、湯布院や別府には温泉を求めて多くの外国人旅行客が訪れています。当社が別府・湯布院で運営する施設は、グループ旅行に適した1棟貸切タイプが中心です。すべての施設に客室内に露天温泉が付いており、多くの外国人旅行客にご利用いただき、いずれの施設も高稼働で推移しています」と話す。
鉄輪温泉の老舗旅館をM&A
大規模リノベ経て来春開業へ
同社は今年5月、開湯750年を迎えた鉄輪(かんなわ)温泉の老舗温泉旅館「癒心(ゆしん)」の事業を承継した。鉄輪温泉は古くから湯治場として発展してきた温泉地で、湯煙が漂う情緒ある街並みや、100℃近い温泉蒸気を利用して食材を蒸す「地獄蒸し」などで知られる。別府八湯を代表する温泉地の1つで、「別府観光のハイライト」とも評される。
「観光地として人気の鉄輪温泉ですが、後継者問題を抱える旅館や商店は多く、癒心もその1つでした。ご縁をいただき、鉄輪温泉中心部に位置する癒心の事業を引き継ぐこととなりましたが、単に継続するのではなく、前オーナーの意思を受け継いだうえで、大規模な改修を経て来春頃にリニューアルオープンする予定です」(黒木氏)。
RC造・地上3階建の躯体を生かしながら、6名から最大20名が宿泊可能なグループ利用特化型施設へと刷新される計画だ。現在11室ある客室はリノベーションを行い、4室へと部屋面積を大幅に拡張して再編。露天風呂は3カ所から4カ所へ増設する予定で、1階の一部はテナント区画として飲食店などの誘致も検討している。
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大分県の外国人宿泊者数比率(26年2月※)は、九州では福岡の38.15%に次いで2位の28.6%と高い水準にある。黒木氏は「当社はこれまで、湯布院と同様のポテンシャルのある別府には、湯布院に比べると施設が少なかった。別府の鉄輪温泉の風情ある景観は、日本らしさを感じられる貴重な観光資源です。別府は、今後さらにインバウンド客数を伸ばす余地があると思っており、これからも別府エリアに注力したい」と話す。
続けて黒木氏は、「当社では、無人チェックイン型の施設を別府や湯布院などで多数運営しています。今後は、さらなるDX化やAI活用を進め、運営の質と効率を高めていきます。鉄輪温泉に限らず、後継者不在の旅館は少なくないと聞いています。別府や湯布院に根ざした運営会社として、当社が担える役割もあると考えています。癒心のM&Aをきっかけに、そうした事例を増やしていければ」と意気込みを語った。
【永上隼人】
※資料:(一社)九州観光機構

((株)リョウ・コーポレーション)
所在地:大分県由布市湯布院町川上3734-1
TEL:0977-84-5050
(営業時間 午前9時~午後6時)
URL:https://yufuin-bnb.com/

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