自民党福岡県議団による林泰輔県議に対する問責決議案提出は吉松県議の「決議案潰し」との指摘

林泰輔福岡県議
林泰輔福岡県議

    福岡県議会の林泰輔議員(自民党県議団)がX(旧・Twitter)の匿名アカウントで不適切な発信を繰り返していたことが発覚し、大きな問題となっている。林氏は蔵内勇夫前議長の元秘書で、先月17日の臨時議会において蔵内氏の議長職辞職勧告決議案の採決中止動議を提出した。同日以降、公式のアカウントとは別に、「みみず屋さん」というアカウントを運用し、吉松県議やセンキョタイムズなどに対する中傷行為を繰り返した。

みみず屋さん(林県議)名義での中傷投稿
みみず屋さん(林県議)名義での中傷投稿

 吉松源昭議員は当社の取材に対し「名誉毀損にあたる行為で、議員としての品格を問われる」と述べたうえで、林氏に対する問責決議案を県議会に提出したと語った。一方、自民党県議団など主要5会派は25日、代表者会合を開き、林氏に対する問責決議案を開会中の議会に提案する方針で合意した。

主要会派の決議案への足並みが乱れる

 問題は、自民県議団が吉松氏とは別に問責決議案を提案したことについて、「吉松氏の決議案潰しではないか」との指摘があることだ。

 そもそも主要会派による問責決議案の提出は、自民党県議団の渡辺勝将会長が「猛省を促すべく、代表者連名で決議案を提出したい」と提案したことに始まる。

渡辺勝将自民党県議団会長
渡辺勝将自民党県議団会長

    自民の提案に公明党や旧民主系(「県政PLUS県議団」と「県民の声ふくおか」)、新政会の4会派が賛同したとされていた。ところが、新政会の椛島徳博会長は、主要会派の合意に異論を述べるなど、自民主導で進めようとしている問責決議案の提出は、まとまっていないようだ。

 林氏は、匿名アカウントでの中傷行為を「兵庫県のようにしてはならないから」と述べ、蔵内氏への批判は「ポピュリズム(大衆迎合)」としたが、兵庫県政をめぐる問題で、SNSでの攻撃的投稿や誹謗中傷が問題となった。林氏自身が同様の行為を行ったことは本末転倒であり、論理的にも倫理的にも筋が通る話ではない。

制定予定の政倫条例はネット投稿も対象

 林氏の裏アカウント「みみず屋さん」が削除される前に、過去の投稿を確認したところ、当該アカウントで、財務省前で積極財政を訴えるなど発信している政治経済評論家の池戸万作氏の投稿を引用し、攻撃的な反論を行っていたことが確認された。林氏は「みみず屋さん」は経済アカウントとして活用していたとしている。

みみず屋さん(林県議)アカウントによる池戸万作氏への投稿
みみず屋さん(林県議)アカウントによる池戸万作氏への投稿

 池戸氏は当社の取材に対し「みみず屋さんが福岡県議とは知らなかった」としたうえで「内容が問題で、個人の人格まで否定しているとしたらアウトだが、自身への投稿について考え方は異なるが、表現の範囲内だった」「(ほかの人に対する投稿は)倫理観がないものもみられた」と語った。

 福岡県議会は、今議会での政治倫理条例の制定を目指しているが、インターネット上で中傷を行ってはならないといった項目も盛り込まれる予定である。

 各会派は素案を検討し、29日の代表者会議で詰める予定だ。早ければ10月1日の本会議で林泰輔県議に対する問責決議案が審議される。ただ、吉松氏の決議案を尊重すべきとの声もあるなか、5会派共同で問責決議案を提出するのかは微妙な状況だ。

【近藤将勝】

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