無断で自民党員登録、自民地方議員が書類送検~全管協・職域支部の党員問題にも波及の可能性

自民党ちんたい支部連合会

 「NetIB-NEWS」は今年3月から、全管協や自民党ちんたい支部連合会における自民党員の獲得をめぐる問題を報じてきた。

 業界団体として行われてきた政治活動と自民党員勧誘の在り方をめぐり、加盟する会員企業に対して過度な党員獲得の働きかけが行われてきた実態が指摘されている。また、従業員や取引先、顧客などの自民党費を企業側が実質的に肩代わりしていたことは、政治資金規正法違反の可能性を含むコンプライアンス上の問題である。

 自民党員になるためには、(1)満18歳以上で日本国籍をもち、(2)他党の党籍がないこと、(3)自民党の綱領や政策などに賛同するという要件を満たし、年間の党費を納める必要がある。

 当社が九州を中心に北海道・関西など全国の全管協加盟企業の代表者に取材を行ったなかで、(3)の「自民党の綱領や政策などに賛同している」という点が曖昧なまま、全管協本部やちんたい支部連からの党員獲得ノルマを受けて、従業員や取引先企業などの名前を借りて入党申込書に記載して入党手続きを行っていたとの証言が複数あった。

 そもそも入党のため名義を借りるという代筆行為は法的な問題はないのだろうか。先月26日、東京で次のような事案があった。 

 自民党への入党を希望していない夫婦を東京・千代田区議会の副議長も務める自民党区議が無断で党員登録していたのである。警視庁麴町署は夫婦からの刑事告訴を受け、6月に当該区議を有印私文書偽造の容疑で東京地検に書類送検した。区議は所属する同党千代田総支部から厳重注意処分を受けている。

 2022年8月、区議は入党申込書に千代田区内に住む40~50代の夫婦2人の名前を自ら書き、党費計6,000円も払って2人を党員登録した。申込書の説明事項には「入党申込書は本人が必要事項を記入」と明記されている。

 ではなぜ、本人の意思確認もせず無断で申し込みを行ったのか。23年4月の統一地方選で党の公認を得るために「党員100人」を集めるノルマがあり、知人から教えてもらった夫婦の個人情報で申込書を作成していたという。党費は区議が立て替えている。

 有印私文書偽造罪は「行使の目的で、他人の印章や署名を使って、権利・義務または事実証明に関する私文書を偽造する犯罪」(刑法第159条1項)であり、3カ月以上5年以下の拘禁刑が科される。決して軽い罪ではない。

 千代田区議のケースと全管協および自民党ちんたい支部の党員問題とは、極めて類似性が高い。もちろん全管協やちんたい支部の党員獲得が、すべて代筆などの不正な手法を用いて行われたものではないが、「理念や政策に対する賛同は二の次三の次で、数を集めるために名前や住所を借りて提出し党員を水増ししてきた」という行為が一部とはいえ、あるとすれば、全管協やちんたい支部に対して当局の捜査の手が今後及ぶことは十分あり得るし、自民党本部や地方組織も「知らなかった、勝手に団体がやっていたことだ」では済まされない。

【近藤将勝】

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