2024年04月29日( 月 )

2022年福岡開発ニュース(中)

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 九州初上陸となった「ららぽーと福岡」や、コロナ禍でもオープンしたホテルなど、2022年も福岡では天神・博多エリアを中心に活発な開発が行われた。22年に着工・オープン、計画が本格始動した主な物件を、時系列でみていこう。

5月

博多区新庁舎

博多区新庁舎
博多区新庁舎

    博多区新庁舎が全面開庁した。博多区役所・保健福祉センター機能の移転も完了し、6日からすべての業務を開始。1~3階には、手続き方法などを案内するフロアマネージャーが配置され、1階には障害がある人が働くテイクアウト専門店や、マイナンバーカードがあれば証明書を発行できるコーナーも設置された。建築物の概要は、S造10階建の延床面積1万5,224.27m2。震度6強の揺れにも耐えられる免震構造が採用されおり、災害発生時の避難場所としても活用される。施工は大成建設(株)が担当した。

清川3丁目賃貸マンション新築工事

 パチンコホール「ユーコーラッキー」の経営で知られるユーコーラッキーグループの1社で、アセットマネジメント事業などを手がける(株)Helix Experienceは、福岡市中央区清川3丁目、高砂2丁目交差点側で「清川3丁目賃貸マンション新築工事」を着工した。建築物の概要は、RC造12階建、延床面積1,660m2のワンルーム全44戸。設計・施工を、九州建設(株)が担当する。同社が開発を手がける福岡市内の案件としては、六本松駅至近の草香江のマンションに続いて2棟目。

清川3丁目天神1丁目トリアーダ

6月

天神一丁目北14番街区ビル

 日本生命福岡ビルならびに福岡三栄ビルの2棟のビルを解体して一体開発を行う「(仮称)天神一丁目北14番街区ビル」が着工した。約3,050m2の敷地に地上18階・塔屋2階・地下2階建ての高さ約88mのビルを建てる計画で、主にオフィスや店舗が入居する予定。福岡市が進める「感染症対応シティ」の実現に向けて、オフィスの自然換気システムの導入をはじめとしたポストコロナ時代に対応する安全・安心なビルとして計画されている。設計を(株)久米設計が、施工を(株)大林組がそれぞれ担当する。竣工は、25年3月を予定している。

トリアーダ宗像

 福岡県・佐賀県にパチンコホール「玉屋」を14店舗展開する、(株)玉屋は、娯楽(パチンコ)と物販、飲食を融合した宗像市の複合商業施設「トリアーダ宗像」の再開発を完了した。施設の老朽化に対応するもので、再開発費用として30億円が投じられた。宗像市初出店となる「ドン・キホーテ宗像店」がオープンしたほか、1日当たりスマートフォン約7万台をフル充電する発電量を有する太陽光発電設備や、40tの非常用飲料水を貯蔵する水槽を備えるなど、災害発生時の防災拠点化も図られている。

7月

エンクレスト住吉4丁目新築工事

 (株)えんホールディングスの「エンクレスト住吉4丁目新築工事」が着工した。建設場所は、福岡市博多区住吉4丁目、稲荷橋側。柳橋連合市場や複合商業施設「キャナルシティ博多」を徒歩圏に収めるなど、相応の生活利便性が確保されている。建築物の概要は、RC造15階建、延床面積2,250m2のワンルーム58戸、ワンルーム外6戸の全64戸。設計を(株)BAS建築設計、施工を(株)未来図建設がそれぞれ手がけている。

(上)エンクレスト住吉4丁目新築工事 (下)キッザニア福岡イメージ
(上)エンクレスト住吉4丁目新築工事
(下)キッザニア福岡イメージ

キッザニア福岡

 西日本鉄道(株)や(株)久原本家などの九州の地元企業をはじめ、約50種類のパビリオン(お店・工場・公共施設など)で構成され、本物の機材や食材、ユニフォームを用いた約70種類のリアルな職業を体験できるテーマパーク「キッザニア福岡」がオープンした。国内出店は東京都江東区(06年)、兵庫県西宮市(09年)に次ぎ13年ぶり、3カ所目となる。

 AI技術を使ってロボットシステムの開発を行う「DXエンジニア」など、最先端のテクノロジーを活用したビジネスの職業体験や、3歳未満の乳幼児も体験可能な「トドラーエリア」を設置するなど、キッザニア福岡だけのサービス提供も行っている。

8月

ヒューリック福岡ビル建替計画

 ヒューリック福岡ビルの建替え工事が着工した。ヒューリック(株)は天神ビッグバンボーナスを活用し、同ビル(福岡市中央区天神2丁目)の天神地区における新たなランドマーク化を目指す。新たに誕生するビルは、ホテル、オフィス、商業施設などで構成される高層複合ビルで、建築物の概要は、S造(一部RC造、SRC造)の地上19階、塔屋2階、地下3階建、延床面積約20,963m2。設計・施工を、大成建設(株)が手がける。竣工は、24年12月を予定している。

博多イーストテラス

 NTT都市開発(株)および大成建設(株)の2社が、福岡市博多区博多駅東一丁目の博多スターレーン跡地で開発を進めていた、博多コネクティッドの認定第1号物件、複合ビル・博多イーストテラスが竣工した。建築物の概要は、RC造(一部S造)の地上10階、塔屋1階建、延床面積約29,200m2。オフィスのほか、九州初進出となるノルウェー発のカフェ&バー『FUGLEN(フグレン)』などが入る。

(左)博多イーストテラス(中)ヒューリック福岡ビル建替計画イメージ(右)(仮称)天神1-7計画
(左)博多イーストテラス
(中)ヒューリック福岡ビル建替計画イメージ
(右)(仮称)天神1-7計画

(仮称)天神1-7計画

 三菱地所(株)は、天神1丁目のイムズ跡地における再開発計画「(仮称)天神1-7計画」を発表した。同計画は高さ約91m、地上20階・地下4階・塔屋1階建のビルを建てる計画で、都市と自然が調和した都市空間の形成を目指し、建物外装には九州産材のCLT(直交集成板)のパネルと植栽を有機的に配置するほか、渡辺通りに面する敷地南西側の建物低層部にはV字柱と吹き抜け空間を整備することで、シンボリックかつランドマーク性の高いデザインを実現する。低層部および地下に商業施設を設けるほか、中層部はオフィス、高層部はホテルとして活用する。同計画は、容積率緩和などの天神ビッグバンボーナスの認定を受けているほか、市が推進する「感染症対応シティ」や「Fukuoka Art Next」などにも寄与する方針で、イムズに替わる新たな天神のランドマークとなることが期待される。

(つづく)

【代 源太朗】

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