2024年04月20日( 土 )

ジャニーズ、AKB48の振付師も被害~障がい福祉コンサルタント・老田善弘氏

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 データ・マックスが追及してきた、「障がい福祉コンサルタント・老田善弘氏」をめぐる数々の疑惑。有名な芸能界関係者も被害にあっていたことがわかった。

 被害にあったのは、ジャニーズの振付師として知られ、現在はAKB48などアイドルグループの振付を担当するW。Wと、Wが資金提供して設立したX社は、損害賠償など約960万円を請求する訴訟を(株)ワーコム(老田氏が代表)に対して起こしている。

 Wと老田氏が出会ったのは15年ほど前。あるビジネスセミナーで出会って以降、老田氏は何度もWに投資話をもちかけてきたという。2015年に、老田氏から「福岡でA型事業所が成功している」と聞かされたWは、障がい福祉事業について慣れた口調でしゃべり続ける老田氏の話術に、少しずつ耳を傾けるようになっていく。
 いわく、「国からの給付で固定費はまかなえる」「開業直後は赤字だが、半年で黒字化できる」「利益をストックし、次の開業に充てて全国100事業所の開業を目指す」など。いつものように具体的な数字を盛り込んだ老田氏独特の論法にはまったWは結局、500万円の投資を決めてしまう。いわば振付師が老田氏に「踊らされた」かっこうだ。

 そこからが老田氏の本領発揮だった。A型事業所開業のコンサルティングを請け負った老田氏は、X社の開業資金500万円から初期費用として280万円をワーコムに振り込むように指示。その280万円の大半が、老田氏が実質経営していた別事業所の資金として消えた。X社の代表者に対しては社印や通帳を交付させたうえで、ほかの代表者に200万円を引き出させた。
 結局、「名ばかりコンサル」の老田氏にノウハウなどあるわけもなく、X社は福岡市からA型事業所の指定を受けられず、融資も受けられないまま計画が頓挫。Wが事業の撤退を決めたとき、X社の通帳にはわずか数万円しか残っていなかったという。

 Wが問い詰めると、老田氏は資金流出を認めて謝罪し、分割による返金を約束したという。しかし、返金があったのはこれまでに3度、総額わずか40万円しか戻ってきていない。Wらは、A型事業所を開業する意思がないにもかかわらず280万円を振り込ませたことを「詐欺的行為」だとして、福岡地裁に訴えている。

 経営する事業所の運営資金を、投資話で得た資金でまかなうという「老田モデル」は要するに、綱渡りの自転車操業にすぎない。稚拙でずさんな計画を見抜けなかったWにも責任はあるものの、障がい福祉を食い物にし続けている老田氏の悪質さは決して許されるものではない。

 裁判は4月25日に第1回弁論となっていたが、延期されて5月30日に始まる予定だ。

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