熊本再開発事業 震災でリスク拡大 大成の一人勝ちではなかった
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熊本市の中心部、桜町地区で進んでいる大規模再開発事業は既報の通り。再開発ビルだけでも、総事業費は約700億円とビッグプロジェクト。今や九州の目玉プロジェクトとして、県外業者も注目している。
東工区のゼネコンは提案者――、1社で大成建設に決定。西工区はプロポーザルでは鹿島建設が1位となったが、その後の協議で次順位の大成建設が選ばれた。
「大成の一人勝ち」一見するとそう見えるのだが、現実はそうではないようだ。「人的にも、資金的にも大成1社でできるのか」と、不安視する声が多いのには理由がある。
鹿島が1位に選ばれながら、手を引いたのはやはり金額の問題で、どうやら試算上、数十億円の赤字とはじき出されたようだ。両工区合わせれば、多少の効率化を図れるとしても、採算を取るのは至難の業。熊本県内では、すでに製薬メーカーの大規模増築が決まっていると聞かれており、それが200億円規模。再開発と合わせて、800億~900億円規模となる。
そのほか、県外にも大型物件は目白押しの大成建設九州支店。支店長が次期社長候補との話は多方面から聞く。赤字覚悟の捨て身技に出るのは、上京への手土産か。残される支店社員、とくに次期支店長へは負の遺産とならないことを願いたい。協力業者からも、「震災復興のため、さらに人手が足りなくなる。震災発生で(再開発への)リスクも高まった」との声が聞こえてきた。【東城 洋平】
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