2022年05月26日( 木 )
by データ・マックス

アビスパ、逞しさが足らない!?

リオ五輪代表の亀川諒史選手と浦和・興梠慎三選手<

リオ五輪代表の亀川諒史選手と浦和・興梠慎三選手

 J1のアビスパ福岡は、7月2日にリーグ戦2ndステージ第1節の浦和レッズ戦を、ホームのレベルファイブスタジアムで対戦。結果は、2-1で敗れた。

 不安定な天候にもかかわらず、2ndステージ初戦であり、さらには強豪の浦和レッズとの対戦とあって1万8,000人超もの観客が来場。試合前には、リオ五輪代表に選出されたアビスパ・亀川諒史選手とレッズ・興梠慎三選手に対するお祝いのセレモニーが行われるなど、和やかな雰囲気であった。

 キックオフ直後から、アビスパ・レッズの両チームとも、アグレッシブなパフォーマンスで攻守ともに“きわどい”プレイが目立っていた。両チームとも積極果敢な姿勢でゴール前に迫りシュートを放つも、お互い堅守でゴールマウスを割ることを許さなかった。
 均衡を破ったのは、アビスパ。21分に、ペナルティエリア内でMF金森健志選手が倒され、ペナルティキックを獲得(倒したレッズ・槙野智章選手はレッドカード)。そのペナルティキックをFWウェリントン選手が決めて、アビスパが先取点を取った。相手選手の退場によって数的に有利となったアビスパは、その後も果敢にレッズゴールへ攻め込むも、得点には至らず。逆に、43分にレッズのフリーキックからのセットプレイで一瞬の隙を突かれてゴールを決められ、1-1の同点となった。

アビスパイレブン<

アビスパイレブン

ボールを競るダニルソン選手<

ボールを競るダニルソン選手

 後半に入ってからもアビスパは、ウェリントン選手、金森選手、城後寿選手らのシュートで決定機をつくるも、現・日本代表のレッズGK西川周作選手の守りに阻まれて、得点ならず。逆に、64分にまたフリーキックからのセットプレイで一瞬の守備の遅れを突かれて得点を献上。2-1と逆転を許した。
 その後、アビスパも猛攻を仕掛けるも、レッズの厳しい守備によって跳ね返される。終了直前の94分にコーナーキックからのDF濱田水輝選手のヘディングがゴールマウスを割ったかに見えたが、審判の判定はノーゴール。そのままタイムアップとなった。

 23分からアビスパは、数的に有利な状況下で、試合の主導権を握られると思われた。だが、逆にレッズは数的に不利な状況下となったことで、集中力が増したと見られた。とくに守備面において一層厳しいボールへのアプローチ、そしてアビスパ選手へのペナルティ覚悟の体の寄せ方、そしてボール奪取など、さすが年間王者を目標に掲げているだけのクオリティの高いプレイが際立っていた。何よりも「絶対に勝つ」という姿勢が、フィールド上のレッズの選手全員から伝わってきた。

 フットボールにおいて数的有利なケースは、「いつでも攻め込める」という心理が働くことで緩みが出て、数的有利を活かせずに終わるケースが多々見られる。アビスパの選手がそうであったかわからないが、ワンプレイごとの集中力は、終始レッズが上回っていた。
 フェアに戦いを挑むことは大切である。だが一方で、やはりプロとして、ときには対戦相手の選手と激しいファイトを辞さない、ラフプレイでなく“逞しい”プレイも、必要ではないだろうか。攻守とも徹底したハードワークで全員守備・全員攻撃を実践し、毎試合健闘しているアビスパではあるが、それでも勝利を逃してしまうのは、逞しいパフォーマンスがまだまだ足りていないからではないだろうか。

突破する三門雄大選手<

突破する三門雄大選手

試合後会見する井原正巳監督<

試合後会見する井原正巳監督

 また、審判のジャッジの質に対しても、一度Jリーグで議論すべきであろう。すべての試合を見ているわけではないが、ここ最近のアビスパの3~4試合を見て、不可解なジャッジが散見される。今回の試合においては、レッドカード2枚、イエローカード6枚と、荒れた試合内容であった。仕方がないケースもあるだろうが、選手に語りかけるなど、質の高い試合を引き出し、試合をマネジメントすることも審判の役目である。反則を取るだけが審判ではない。この試合に限って言えば、最後のワンプレイは、アビスパの選手が気の毒であった。

【河原 清明】

 

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