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2016年08月17日 07:03

親娘バトルに勝利した大塚家具の久美子社長、早くも崖っぷちに(後)

想定を超えた売上の落ち込み

 (株)大塚家具が深刻なのは、売上の落ち込みだ。h02 衝撃的だったのは、今年3月の売上高が11.8%減となったことだ。
 前年3月は、父娘のバトルが連日ワイドショーを賑わし、経営が大混乱に陥ったとき。3月の売上高は37.8%減と激減した。平常に戻った今年はプラスに転じてしかるべきだが、逆に減少幅が強まった。騒動前の水準と比べると、単純計算で5割近く売上が落ちていることになる。

 久美子社長が勝負どころを迎えたのは、5~6月だった。昨年は「お詫びセール」で5月の売上高は70.0%増、6月は49.6%増と爆発的に伸びた。今年は、その反動で売上が激減することは避けられない。どうやって切り抜けるか――。

 大塚家具は4月22日から「大感謝会」と銘打ち、セールを開始した。減少幅をどの程度に抑えることができるか。腕の見せどころであった。結果は惨敗。5月は46.2%減、6月は38.1%減だ。想定を超えた落ち込みだ。

 7月の売上も計画を下回った。前年7月は「お詫びセール」の反動で、売上が減った。今年は前年を上回るはずだが、7月の売上も8.9%減だ。売上の落ち込みに歯止めにかからなかった。赤字幅が拡大して、2度目の下方修正に追い込まれた。

対照的な匠大塚のビジネスモデル

idc_ootuka2 父親の大塚勝久氏が立ち上げた家具販売会社・匠大塚(株)は6月29日、大塚家具の創業地である埼玉・春日部市に春日部本店をオープンした。春日部本店は2月末に閉鎖した西武春日部店の跡地を利用し、1~5階でフロア面積2万7,000m2という大型店。高級家具に魅力を感じる客層をターゲットにした会員制を導入している。

 少子化や新設着工戸数の低迷から家具自体は縮小傾向にあり、インテリアや雑貨などを含めたホームファッション小売が主流になってきた。

 久美子社長は、勝久氏がつくり上げたビジネスモデルの変革を掲げてきた。気軽に立ち寄れるように会員制を廃止し、高価格帯の商品を縮小して中価格帯を強化した。家具やインテリア、雑貨などを含めたトータルな提案が重要と考えているのだろう。方向性としては間違いではない。中小型店主体の新店舗政策も父・勝久氏とは対照的な久美子社長の変革を具現化したものと言える。
 ビジネスモデル転換の成果が、すぐに現われることはないにしても、上場会社はすぐに業績を上げることが求められる。3度目の業績の下方修正をしたら、久美子社長のビジネスモデルは正念場を迎えることになる。

(了)
【森村 和男】

 
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