2024年04月19日( 金 )

日経平均株価反騰~九州地銀の株価は低迷

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nitigin 9月27日の日経平均株価は、1万6,683円93銭(前日+139円37銭)と二日ぶりに反騰して取引を終えたが、ドイツ銀行の経営危機が伝えられると、金融株に対する警戒感から九州地銀の株価は九州FG700円(前日比▲17円)、ふくおかFG440円(前日比▲9円)と、値を下げる銘柄が多く見られた。

 黒田東彦日銀総裁は、9月21日の記者会見で、「金融緩和を継続するという揺るぎない姿勢」を示すとともに、「新しい政策枠組みとして、長短金利操作付き緩和でさらに強化していく」と強調。

 枠組みの変更については「考え方は変わっていないが、金融調節をマネタリーベースの操作から利回り曲線(長短金利)の操作に変えた」と説明。

 さらに(1)2%の「物価安定の目標」については『できるだけ早期に実現』とややトーンを下げた発言をしつつも、その方針に変化はないと強調。(2)今後は短期金利と10年物国債金利の二つを操作目標に、イールドカーブコントロールをしていく。(3)量・質・金利で追加緩和の余地はある、と強気の発言を繰り返しているが、市場の反応は冷ややかなようだ。

 しかも就任から3年を過ぎても、なかなか成果の出ないアベノミクスやマイナス金利政策に対しては、(1)物価上昇の障害になった原油価格下落などに関しては「金融政策ではコントロールできない。(2)外的要因がなければ2%の物価安定目標は達成できた。(3)「物価が持続的に下落するデフレではなくなっている。(4)従来の量を操作目標にするよりも、今後は経済情勢に柔軟に対応していく」と発言。さらに政府には「財政運営、構造改革を引き続きしっかりやっていただきたい」と注文を付けるなど、やや手詰まり感を滲ませる発言が目立つようになっている。

 また金融機関から強い反発があるマイナス金利政策については、「必要なら躊躇なく実施する方針を示した」が、「金融機関の収益へ今後どんな影響が出るかは留意をしている」と配慮を示し、深堀については具体的な言及をしなかった。

 今月末は2017年3月期の中間決算を迎える。別表の通り、前年9月30日の株価と比較して大きくマイナスとなっているのが分かる。残る3営業日で、どこまで値を戻すことができるのだろうか。

 また10月3日(月)、西日本シティ銀行を中核とする西日本フィナンシャルホールディングス(FH)が発足することになっており、九州地銀の金融再編は急速に進むことになりそうだ。

【北山 譲】

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