2024年05月05日( 日 )

【九州北部豪雨】名産の柿園を襲った豪雨~杷木

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 2006年に合併して朝倉市となったが旧杷木町の名産と言えば柿を思い浮かべる人もいるだろう。
 急斜面を登り、杷木地区において柿が生産されている山間部に入る。そこで目に入ったのは、柿園を裂くように土がえぐられ、流木が横たわり柿の木々をなぎ倒している様子。この柿園の関係者によると「ここは約25年前に水害が発生して、その後約30センチ幅のU字溝が敷設されました。通常、このU字溝を流れる水量は沢といってもいいくらいの量。それが、今回の豪雨で見た通りの状況です」と説明してくれた。

流木に押し倒された柿の木々

柿園の一部は削れてなくなっている

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 豪雨直後の長雨や流木などによる虫などの被害を避けるために、無事だった柿の木はすぐに消毒を行い、流木で塞がれていた農業用道路を一部だが復旧させた。だが、問題はこれからだという。「り災証明申請はすぐ行いますが、大きな岩、多量の流木、えぐれた土地の復旧は一個人ではとてもできません。当分このままでしょうね」と被害があった場所を眺めた。

 被災地域でも公共性が高い場所では重機による撤去作業が本格化したものの、個人が待つこのような山奥の農地には「優先順位があり早急に順番は回ってこないだろう」と諦め顔。だが、残った柿をどうにかして全国に届けたいという思いで、復旧作業を黙々と一人続けている。

 このように、山間部ではまだ車両も入れない場所も多く、災害復旧はこれからである。

【道山 憲一】

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