• このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年09月22日 11:20

ド派手なセレブ生活も終焉か(4)~(株)ストーンマーケット

 天然石アクセサリー販売で急成長した(株)ストーンマーケット(本社:福岡市中央区、中村泰二郎社長)だが、業績の悪化から事業の縮小を余儀なくされている。2年半ほど前に「ド派手なセレブ生活は続くのか」と題して同社の凋落を報じたが、いよいよド派手なセレブ生活も終焉が近づいているようだ。

高収益モデル崩壊の理由(1)

 近年の業績推移を見れば、同社が販売不振に陥っていることは明らかだが、なぜそこまで売れなくなったのだろうか。まずは外的要因から見てみよう。

 同社が天然石アクセサリー販売で急成長を遂げたのは、高級品でもなく、おもちゃでもないミドルクラスのアクセサリー市場を創出したことにある。高価な宝石を配したブランド品か、安価なイミテーションしかなかった市場に登場したのが、天然石を大胆にアレンジした同社のアクセサリーだった。ブランド品のアクセサリーよりも気軽に買え、日本では馴染みの薄かった天然石を使うという目新しさもあり、10代、20代の女性に支持された。さらに従来のアクセサリー購買層ではない男性にも広まったことが、同社の成長を後押しした。中村社長が積極的にメディア露出を行い、華やかな芸能人と派手な交流をするという話題作りも奏功した。人気のある芸能人は若者の購入動機に大きな影響を与えるからだ。こうして同社は業界の先駆けとなり、先行者利益を得ることに成功したのである。

 どのビジネスでもそうだが、市場の創出に成功した企業は強い。市場を独占した状態になるため利幅も大きく、これが先行した企業の最大のメリットとなる。一方で、ここから経営者は難しい経営判断を強いられる。起業家としては成功したが、維持発展する事業家になれるかどうかの分かれ目だ。高収益が見込める市場には必ずライバルが出現する。後発組が台頭してくる中で、本業に徹した戦いをするのか、それとも異業種への進出により、さらなる収益源を確保するのか。同社には(株)めのや(島根県)が展開する「アナヒータストーンズ」というライバルが登場した。ほかにも類似商品を扱う企業が増える中で、同社は飲食事業へ進出した。本業で得た利益は十分すぎるほどにあったため、飲食事業でも成功する可能性はあっただろう。だが前述した通り、飲食事業は鳴かず飛ばずのまま撤退する羽目になった。

 業界の先駆者としての地位は維持していても、市場が成熟すれば利幅が失われていくものだ。世界的に天然石アクセサリーのビジネスモデルが確立されたことで、かつては格安で手に入ると言われていた仕入用の石も、相場形成が進み値上がりしていった。同社は徐々に競合激化とコストアップの影響を受け始める。

(つづく)
【特別取材班】

▼関連リンク
・ド派手なセレブ生活は続くのか(1)~ストーンマーケット
・続・ド派手なセレブ生活は続くのか~ストーンマーケット

 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2020年10月25日 07:00

新コンセプトStore 「#ワークマン女子」 SNSとリアル店舗の一体化を図る

 作業用品専門店ワークマンは、18年9月、一般客向けの「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」の店舗展開を開始、2年余りで222店舗まで拡大し注目を集めたが、...

2020年10月25日 07:00

【凡学一生の優しい法律学】日本学術会議推薦無視事件(4)

 高橋氏は「『日本学術会議問題』が、いま本当に必要な議論の妨げになっている…!のコラムを発表した翌10月13日に内閣官房参与に任命されたため、事実上、内閣官房参与の立...

2020年10月24日 07:00

構造スリットの第一人者・都甲栄充氏が来福~構造設計一級建築士・仲盛昭二氏とベルヴィ香椎の施工不具合問題を対談(4)

 「築後10年といえば、マンションはほとんど劣化しておらず、構造スリットの不具合という重大な瑕疵が隠れているとは誰も考えないでしょう。しかし、外観がきれいであっても、...

2020年10月24日 07:00

イズミ8月中間決算、経費減で経常17.5%増を確保 売上は11.8%減

 イズミの8月中間連結決算は、営業収益が前年同期比11.8%の減収であっだが、粗利益率の改善と販管費削減で経常利益は17.5%の増益を確保した...

2020年10月23日 18:30

第一生命が詐欺容疑で『実録 頭取交替』登場の元社員を刑事告発 (20) 甲羅万蔵とは

 『実録 頭取交替』で維新銀行を舞台に登場する主人公の甲羅万蔵について触れる。【表1】、【表2】を見ていただきたい。甲羅のモデル・田中耕三・山口銀行特別社友に関する資料だ。

2020年10月23日 18:09

ストラテジーブレティン(263)~コロナパンデミックの経済史的考察(1)

 100年に一度の金融危機(グリーンスパン元FRB議長)と評されたリーマン・ショックは、その後の順調な回復を振り返れば、大げさすぎた表現であった。しかし今進行している...

2020年10月23日 17:30

『脊振の自然に魅せられて』レスキューポイント設置に向けて(4)

 プレートには、「早良区役所」「脊振の自然を愛する会」のロゴを入れるようドコモから指示があり、あわせてドコモのロゴと「ドコモの携帯電話がご利用できます」との文字を表示...

2020年10月23日 16:55

国際金融誘致へ~福岡市が国際金融に特化したワンストップサポート窓口「Global Finance Centre」を開設

 20日、福岡市は国際金融に特化したワンストップサポート窓口「Global Finance Centre」を開設した...

2020年10月23日 16:41

福岡商工会議所 次期副会頭に西日本FHの谷川社長ら

 福岡商工会議所の役員が11月に任期満了と迎えるが、次期副会頭に西日本フィナンシャルホールディングスの谷川浩道代表取締役社長らが就任する予定であることがわかった...

2020年10月23日 16:34

音楽に見る日本人の正体(3)総集編(後)

 マスコミそのものが筆者身近な読者同様、「敵性音楽の使用」に関心がないのかもしれない。そのように考えてみると、戦後この問題に触れたのは、管見の限りでは長田暁二氏(大衆...

pagetop