2024年05月05日( 日 )

福岡県職員のドローン研修業務は、数千万円の赤字覚悟

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

初期費用3,000万円に対して上限853万円

 福岡県が募集を行っている職員のドローン操作研修の企画コンペに対し、専門業者から「初期費用に対して県の予算がはるかに安い。数千万円の赤字になる」といった戸惑いの声があがっている。

 企画コンペが行われるのは、産業廃棄物処理施設の立入検査にドローンを導入するため、県職員に実施されるドローン操作研修業務。応募者は、企画提案、見積書、実施体制、過去3年の実績などを提出し、4月23日に提案者によるプレゼンが行われる予定だ。

 官庁のドローン導入が呼び水となり、各分野でドローンの実用化が進むことも期待される。ところが、県の仕様書を見たドローンの専門業者からは、「県が納入を希望しているドローンや搭載するカメラの種類、ソフトウェアなどをそろえるのに必要なコストに対して、県が単年で払う予算の最高額が釣り合わない」との指摘が…。

 「費用は1台あたり500万円。それを5台。研修にかかる人件費など諸々の費用を含めれば、3,000万円はかかる。ところが、県は単年で払う金額は853万円が上限。単純計算でトントンになるまで最低4年。途中で切れたら元が取れない。大赤字だ」(ドローン関連業者)

 仕様書によると、契約は単年契約だが、継続が必要と認められる場合には更新されることになっている。「最長で5年間の契約になるが、契約更新は予算の関係で約束ができない」という担当者。リスクを嫌い、あげかけた手を引っ込める業者も少なくはないようだ。

【山下 康太】

 

関連キーワード

関連記事