2024年04月20日( 土 )

ド派手なセレブ生活から原点回帰へ(2)~(株)ストーンマーケット

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 天然石アクセサリー販売と名物社長のド派手なセレブ生活で一世を風靡した(株)ストーンマーケットだが、近年は業績低迷からリストラを余儀なくされている。メディア露出もすっかり影を潜め、地道に原点回帰を目指しているようだ。

原点回帰

 ストーンマーケットは、18年1月1日から同社が運営する全国店舗で金運アップを売りにしたブレスレットを発売した。開運コンサルタントのプロデュースでストーン社が独占販売する。商品名は「スゴ金運ブレスレット」。同社は運気を高めるため、またファッションとしての使用を希望しているそうだ。

 天然石アクセサリー販売で事業を展開してきた同社の、最近の経営方針は原点回帰だという。この春、キャナルシティ博多内の「STONEMARKET」をリニューアルオープンした。背景には業界自体の大きな変化がある。かつての天然石アクセサリーブーム期には、同社が一世を風靡するとともに、同業他社も増加し業界全体が急激に拡大した。しかし現在の小売市場は、アマゾンに代表されるネット通販の台頭で混迷を極めている。業界は縮小傾向に入っており、1店舗舗あたりの売上高も減少傾向にある。そこで、通販ではできないリアル店舗の魅力、商品を引き出す楽しい売り場づくりの重要度が増すと考え、創業の原点に返った店舗運営に力を入れているという。リニューアルした店舗はアメリカ南西部の大自然をイメージしたコンセプトだ。

 同社は従来とは異なる商品の販売も進めている。インテリア雑貨のジャンルとして「パワーストーンハーバリウム」をリリース。瓶のなかに乾燥処理を施したドライフラワーを浸して、植物を自然な状態で長期間飾ることができる。天然石を詰め込んだ運気アップのオリジナル商品だ。また商品開発においては、ジュエリーショップを全国展開しているサダマツの「Wish upon a star」や、山梨のクロスフォーが手がける「ダンシングストーン」とタイアップ。さらにレジンを用いたアクセ、星座やソウルナンバー、アルファベットをあしらったアクセなど、オリジナル商品の開発を強化し、手持ちのジュエリーとも組み合わせることができる商品展開でニーズを掘り起こしている。石のもつ意味を直接伝える空間づくり、また対面販売のスペシャリストを育てる人材教育にも力を入れているという。

 創業当初はブルーオーシャンだった市場が、競合の参入でレッドオーシャンに変化した。二束三文で仕入れることができた石も、ビジネスになったことで相場形成が進み、利幅は徐々に縮小していった。後述するが事業の多角化も失敗したことで、本業に回帰しつつ新たな展開を模索する戦略になっているようだ。

(つづく)
【特別取材班】

 
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