2024年10月14日( 月 )

指紋認証の最終進化、超音波式(前)

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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)

 インターネットとスマホの普及で、私たちの生活は大きく様変わりした。とくにスマホの普及で、日常生活のなかで、インターネットを利用する場面が急激に増加している。先進国はいうまでなく、通信インフラがない後進国でさえ、スマホを活用した各種インターネットサービスが日常に急速に浸透しつつある。

 スマホで買い物をしたり、金融サービスを受けたりしていると、インターネットは対面ではないため、本人であるかどうかを確認する必要が必然的に発生する。すなわち認証である。インターネットの認証は、ユーザーを識別する情報と、それを確認する情報を組み合わせることによって行われる。
ユーザーを識別するのには、一般的にIDが使われている。IDとは、サイトの運営者が、ユーザー一人ひとりを区別するため割り当てる符号だ。IDと一緒に、本人の確認にはパスワードが使われる。パスワードとは、そのIDをもつ本人のみが知っている情報で、それを入力することで、本人だということが確認される。

 このように本人を確認するやりとりである認証には、IDとパスワードが一般的に利用されてきた。しかし、利用するサイトの数が増えることによって、ユーザーは記憶しなければならないIDとパスワードが増え、それを忘れてしまったり、それを記憶するのに苦労したりする。

 またショッピングサイトなどでは、パスワードなどを一括管理するケースが多いが、それが多量に漏洩した事故などが頻繁に起こり、IDとパスワードは認証手段として限界だということが指摘されている。そのような中、既存の認証の限界を解決するために最近各社で採用を進めている技術が生体認証である。

 生体認証技術とは、人によって違う特定の生体情報を、自動化された装置でそれを抽出し、本人であるかどうかを判別する技術である。生体情報は、非対面の取引において、強力な本人認証手段であり、既存の認証に比べ、利便性とセキュリティ性を高めてくれる技術である。

 生体認証技術には指紋、虹彩、顔認証、静脈などいろいろな種類がある。生体認証の大きな特徴はというと、盗難や偽造に強いということと、記憶する必要がないという点である。

 生体認証技術は、スマホを始め、フィンテックサービスのコア技術として広く使われ始めている。また、生体認証技術は多くのグローバル企業で会社の出入りの管理に使われているのが実情である。

 生体認証のなかで、歴史が一番古いのは、やはり指紋認証である。指紋認証は歴史が古いだけに、技術も成熟しているし、価格競争力もある。それゆえ、指紋認証は現在、生体認証市場の6割を占めている。

 サムスンやアップルがスマホに最初に導入したのも指紋認証である。サムスンのギャラクシーに指紋認証センサーを納品した中国のGoodixという企業がある。同社は自国を中心に成長を遂げ、昨年の売上高は5億8,300万ドル、当期純利益は1億4,100ドルを記録している。しかし、指紋認証にも問題があることが露呈している。

(つづく)

 
(後)

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