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2018年09月10日 16:45

運搬・警備・運搬ロボットを導入し、空港での実用化視野に~三菱地所(前)

 三菱地所は、人手不足社会の到来を見据え、横浜ランドマークタワーで、9 月3 日~16 日までの約2 週間、人工知能(AI)などを搭載した警備・清掃・運搬を担う複数の異なるロボットを導入し、ロボットが活躍する新たな施設運営管理の実証実験をしている。延床面積約40 万m2・高さ296m の広大な建物での実験を通じ、効率的で付加価値の高い次世代の施設運営管理のモデルを構築し、同社が所有・管理する全国の物件で展開していくことを目指す。

▲説明する三菱地所ビル運営事業部の
 渋谷一太郎統轄

 中期経営計画での「ビジネスモデル革新1,000億円投資」のうち3割程度についてはすでに投資先が決定している。主に、空港事業だ。沖縄県宮古島市の下地島空港旅客ターミナルの施設整備・運営に携わるほか、高松空港、富士山静岡空港については民営化にともない、空港運営を行う。このほか、今後、民営化する新千歳や女満別、旭川など北海道内7空港の公募についても、地元企業や同社など20社前後が組んだ企業連合など4陣営が応札している。  

 「ロボットの正式導入の場所は少なくとも横浜ランドマークタワーと決めたわけではありません。今、考えているのは横に広い空間。空港や丸の内界隈を考えています。まずは年明けにも1つか2つ実導入しようと検討しています。従来の空港ではできなかった省コスト・省人化が実現することになる。我々が空港管理すれば、これだけ効率化できるとPRしたい」(同社ビル運営事業部の渋谷一太郎統轄)と語り、空港事業での導入に意欲を見せた。
 運搬ロボットを初弾のデモンストレーションで公開。ドイツの郵便局にあたるDeutsche Post AG 社が開発した「PostBOT」やフランスのロボットメーカーEffidence 社の「EffiBOT」が日本初上陸。最大積載重量150㎏ という人の手では運べない量の荷物運搬を担う。人に付いて走る追尾運転機能と無人で走行する自動走行機能を有し、防災や館内物流など多くの用途で実証を行っている。

▲弁当を運ぶ運搬ロボット「PostBOT」

 まず冒頭で公開した「PostBOT」は、ドイツでは郵便物を運ぶロボットとして使われている。今回は、横浜ランドマークタワーのオフィスワーカーが、飲食店から弁当を注文して届ける実験をしている。通常は台車を活用しての運搬で複数人必要だが、「PostBOT」を使えば1人で済む場合もある。オーダーは事前にスマートフォンから注文を経て、届ける。デモンストレーションでは、女性が4店の飲食店から弁当を「PostBOT」内に入れて、追尾運転機能と自動走行機能が十分に働いているかも確認できた。通常の台車であれば、25~30食であるが、「PostBOT」であれば40~50食運搬可能だ。ただし、「PostBOT」にはまだ弱点があり、追尾機能も別の人を認識すると別の人に追尾することもあり、気をつけて歩くことを心がけなければならないという。価格は未定。Deutsche Post AG 社が日本のニーズを見て決定していくが、数百万円になると推定している。

▲土のうを運ぶ運搬ロボット「EffiBOT」

 次のデモンストレーションは、フランスのロボットメーカーEffidence 社の「EffiBOT」。「EffiBOT」は、「三菱地所第92 回総合防災訓練」に活用し、土のう運搬訓練および止水板組み立て訓練で成功しており、スムーズに重い土のうも運べた。「人について行く追尾機能に加え、人がいなくても事前に地図情報を読み込み、自動で決められたルートを自動走行可能です。フランスの工事現場では重いモノを運ぶのに、自動走行するという使われ方をしています。土のうだけではなくいろいろなものを運べます。適正重量は150㎏ですが、最大300㎏まで運搬可能です。これにより館内物流で宅配員の省力化を目指します。2週間でいろいろなケースについてヤマト運輸と打ち合わせして試験したい。最終的には被災地向けの活用も検討しています」(渋谷氏)。バッテリーは3.5時間の充填で、8時間稼働できる。

(つづく)

【長井 雄一朗】

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