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2018年10月11日 09:56

「白馬会議2018」が11月17日・18日に開催!(後)

「白馬会議」運営委員会事務局代表 市川 周 氏

知的相対主義を、頑なに守り通してきていること

 ――白馬会議の特徴を教えてください。

▲「白馬会議」運営委員会事務局
 市川 周 代表

 市川 大きく分けて3つあります。
 1つ目は、「知的相対主義」を頑なに守り通してきていることです。個々人は皆、知的な自立性、誇りをもって集まります。そのうえで、白馬会議運営委員会として、最も嫌うのは「ドグマ」(独断的な説)です。このことは、講師も参加者も皆共通しています。また、同様に白馬会議は知的徒党を組む場所でもありません。

 2つ目は、1泊2日の会議討議を総括するような宣言とか、アピールはあえて出しません、会議の総括とか結論は参加者の1人ひとりが自分自身でつかみ取り、自分が日々活動しているそれぞれの現場にもち帰り実践することです。そして、1年後、実践を通して生まれてきた課題や問題意識をもって再び白馬を訪れ、新たな討議を通じて自己認識に磨きをかけて行くのです。白馬会議が目指すのは「知行合一」の世界です。継続参加者率は60%を超えるようになりました。

 3つ目は、「知的ダンディズム」の精神です。交通費、会議参加費を払って白馬までやってくる人たちの多くは組織に頼らず身銭を切ってやって来ます。彼らの心意気には「1人の知的個人でありたい」というある種のプライドと緊張感が漂っています。これからの日本人にとって、この知的ダンディズムの精神はとても大切になってくると思います。

 一方、高齢化社会を迎えて60代、70代でもアクティブに活躍する時代になっています。1人で暮らす高齢者も増えてきます。白馬会議はそんな時代を生き抜いていく自立精神にあふれた知的日本人の受け皿になりたいと思っています。

会場探しに疲れ果てた時、遠くの森に一筋の光が見えました

 ――白馬会議を開催して約10年が経過しました。エピソードというものはありますか。

 市川 こんな会議が大組織のバックもなく半分手づくりで10年もやってこられたこと自体がエピソードだと思っています。会場となるホテルとの出会いも劇的でした。白馬では「白馬東急ホテル」が最も有名ですが、私たちのイメージにあったホール型の大会議室がなかったのです。その日は朝から晩まで、車でホテルを探し続けて、疲れ果てた時、遠くの森に一筋の光が見えました。その森に入って行き「シェラリゾート白馬」に出会いました。

 このホテルのオーナーの富原寛氏は私と同年で、スクラッチから白馬村に飛び込みウエディングリゾートを目指したホテルを開業、成功させた人物です。「白馬にダボスに負けないコンファレンスリゾートをつくろう」という私の提案に意気投合してくれました。

 富原氏は昨年他界されましたが、「シェラリゾート白馬」は世界最大級の旅行クチコミサービスサイト『トリップアドバイザー』で人気ホテルランキングトップ10の常連メンバーとなっています。

この日本には、今こそイノベーションが必要です

 ――第11回「白馬会議」が11月17日・18日に開催されます。今年の内容、ハイライトについて教えてください。

 市川 今年の統一テーマは「大丈夫か?日本のイノベーション!」としました。それは、この日本に今こそイノベーションが必要であり、それも従来の発想や仕組みを突き破る新たなイノベーションが必要だと思ったからです。イノベーションは日本ではしばしば「技術革新」と訳されますが、イノベーションの本来の意味は、物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のことです。それまでのモノ・仕組みなどに対してまったく新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出して社会全体に大きな変化を起こすことを指します。

 今回白馬会議ではこのイノベーションに関して下記の4つのセッションを設けました。

 第1セッション 講師:菊澤研宗氏(慶應義塾大学商学部教授)
 「“忖度・改竄・隠蔽“を追い出すイノベーションとは?」
 第2セッション 講師:小黒一正氏(法政大学経済学部教授・元財務省財務総合政策研究所主任研究官)
 「“第二の敗戦”(財政破綻)回避のイノベーションとは?」
 第3セッション 講師:鶴岡秀志氏(信州大学カーボン科学研究所特任教授)
 「“技術劣国化”を阻止するイノベーションとは?」
 第4セッション 講師:矢野義昭氏(東京工業大学客員講師・元第一師団副師団長兼練馬駐屯地指令・陸将補)
 「“日本を守れる”自衛隊のイノベーションとは?」

 ――最後に、読者にメッセージをいただけますか?

 市川 読者の皆さまで、今回のお話に興味をもっていただけた場合は事務局までぜひご連絡ください。若干ですが、参加枠が残っています。白馬の大自然をバックに一緒に語り明かしませんか。

(了)
【金木 亮憲】

▼関連リンク
・白馬会議公式サイト

<プロフィール>
市川 周(いちかわ・しゅう)

1951年長野県生まれ。1975年一橋大学経済学部卒業。同年三井物産入社。香港三井物産、米国三井物産(この間、ペンシルバニア大学ウォートンスクールマネジメントプログラムコースを履修)を経て、1990年三井物産貿易経済研究所(現・三井物産戦略研究所)創設に参画。91年同研究所主任研究員、96年同研究所コンサルティング事業室長。97年に三井物産を退職、人材開発コンサルティング会社「市川アソシエイツ」を設立。98年石原慎太郎氏と(特非)一橋総合研究所を設立。2006年(社)世界経済研究協会専務理事、08年11月「白馬会議」を創設。著書として、石原慎太郎氏との共著『「NO(ノー)」と言える日本経済』(光文社)、『外される日本』(NHKブックス)、『選択する日本経済』(共著 東京経済情報出版)、『ライオンリーダーになる19の鉄則』(中経出版)、『中国に勝つ』(PHP研究所)など多数。

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