2024年04月16日( 火 )

くるり九州ひたすら歩く旅~九州一周、完歩を目指す(20)

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 国道3号線と10号線をひたすら歩く“九州一周完歩”の旅。歩行距離は実に833kmにおよぶ。週末を利用しつつ、実際に現地に赴き九州の大動脈を歩く旅。北九州市から10号線を南下するコースと宮崎市から北上するコースという2コースに分かれた旅を展開している。北九州から10号線をひたすら歩いて南を目指し、ついに大分県と宮崎県との県境・宗太郎峠に到達した。あとは宮崎県内を踏破するだけだ。

9月16日(20日目)
JR宗太郎駅~日向市美々津公民館59.4km

 ほんの数時間前まで、不眠不休でJR宗太郎駅まで歩いたことは覚えている。その後、満身創痍で宿に着き、泥のように眠った。
 はっと目が覚めて旅の工程を再考する。疲れ果てているので「このまま福岡に帰った方がいいのでは」という思いが頭をよぎる。だが、宗太郎峠越えを来週にもち越したとしても避けて通れるわけではない。
 旅の効率を考えても今日中に市内に入った方が良い。しかも、大分に向かう日豊本線のダイヤは1日3本だけだ。やることは1つ。宗太郎駅に向かうために急いで旅支度して宿を出ることだ。

 宗太郎峠から下り道を歩くと、車の往来が意外と少ないことに気づく。西側を走る国道326号が実質的なバイパスとして機能しているからだろう。また、東九州自動車道が整備されていることも関係しているはずだ。
川のせせらぎを感じながら、ひたすら下る。日はどっぷり暮れた。ここからが本番だ。

国道388号線と合流。街の明かりが増えてきた

 JR北川駅付近に差しかかる。326号線と合流したためか、住宅が増えて街灯も増えた。緩やかな下り坂が続いているので、自然と歩くペースが上がる。高速道路の高架をくぐり、JR北延岡駅に向かう頃には眼前に住宅地が広がっていた。そうこうするうちに国道388号線と合流。JR延岡駅を通過し、JR南延岡駅まで行けば今日のスタート地点まで戻れる。

 延岡市内の道路は広い直線でフラット。歩道も完備され、快適である。JR土々呂駅を通過する。土々呂といえばアニメ映画に出てくるキャラクター“トトロ”を連想する。町おこしとしていい素材だろうな、と思いつつ目線は日向市へ。ただ、旅の疲れと睡眠不足で時折睡魔が襲ってくる。夜が明けてくると視界が広がり、波の音が聞こえだした。日向灘だ。足を止め写真を撮る。朝日と海のコンストラクションが最高だ。

 今回の到着地は耳川を超えた美々津とした。どうにか到達できそうだ。道の駅のような施設「日向サンパーク」を左に横切る。どうやらここには浴場設備があるようだ。行きたい。しかし、汗だくで途中Tシャツを3枚替えており、もう予備がない。風呂に行くのは次の機会にしよう。
 残り数kmはアップダウンが続き足腰にくる。だが周囲は列車も動き出し、車の通行量も増えてきた。最後に橋を超えれば到着だ。しかし、そうは問屋がおろさない。橋を渡るには住宅地のなかを通らないと行けないようだ。まさにラビリンスだったが、苦労して攻略、橋を渡って目的の公民館に着いた。

日向市平岩から展望。きれいな風景だ
ちょっと、どういうこと?

 帰りの高速道路のアクセスや、南周りの残りの距離の兼ね合いから見て、ここをゴールにした方が良いようだ。次回はJR田野駅から北上してゴールを目指すことにする。

(つづく)

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