2024年04月20日( 土 )

宅配ボックス設置で「8割がストレス減」 宅配クライシス解決プロジェクト

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 福岡市が実証実験フルサポート事業として行った「宅配ストレス解消のための、荷物の受け取り方改革」で、事業者のナスタが宅配ボックスを設置することで宅配ストレスが減少したことを証明した。

 (株)ナスタ(東京都港区)は、戸建住宅に住む福岡市民1,000世帯を対象に、宅配ボックス「スマポ」を提供し、2018年11月初旬から19年1月下旬にかけて、荷物の受け取り方の変化が宅配ストレスに与える影響とその効果を検証。その結果、宅配ボックスの設置前・後で、実に82.3%の人が宅配ストレスが減ったと回答。さらに、今後も宅配ボックスが必要かという質問に対しては、91.4%の人が必要であると答え、宅配ボックス設置の優位性が具体的な数値とともに証明された。

 検証対象となった世帯において、最もストレスを感じる度合いが高かったのが、以下の3つ。

1、「楽しみにしていた荷物や、どうしても受けとりたかった荷物が、指定した日に受け取れなかった
  こと」
2、「時間指定をしたが、荷物がいつ届くか分からず困ったこと」
3、「子どもを寝かしつけた所だったのに、ピンポンの音で起こされたこと」

配達業者、受取人、双方の負担軽減につながる

 検証期間中、宅配ボックスを設置したことにより、1は69.9%、2は72.4%、3は47.9%と、それぞれ大幅にストレス度が軽減された。全世代が共通して宅配ボックスの必要性を感じるとしており、とくに10~30代で必要性が高まる結果となった。
再配達の必要がなくなる宅配ボックスの設置は、ネット通販の急速な拡大による宅配物流量の驚異的な増大と、人手不足という宅配業界が抱える「宅配クライシス」解決の糸口にもなりえる。

 今回の検証結果を受け、市は「本実証実験で得られた成果や課題を今後の製品開発などに生かし、さらなる市民の利便性向上を図ることで、再配達削減を含む物流課題の根本的解決につながることを期待している」と述べている。

【代 源太朗】

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