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2019年03月27日 13:13

新日鐵住金から日本製鉄へ~商号変更まであと5日

 新日鐵住金は4月1日付で日本製鉄(株)に商号を変更する。それに合わせて、橋本英二副社長(63歳)が同日付で社長に昇格する。69年ぶりに復活した伝統ある日本製鉄の初代トップに就任し、経営体制を一新する。海外企業の買収やグローバル戦略を主導してきた橋本氏の手腕を生かして、グループ再編や海外戦略を強化する。社長交代は5年ぶりで、進藤孝生社長(69歳)は代表権のある会長に就く。
【プロフィール】
★進藤孝生氏 1949 (昭和24) 年9月14日生まれ。一橋大学経済学部卒。1973年新日本製鐵(現・新日鐵住金)。2009年代表取締役副社長を経て、2014年4月1日から社長。秋田県出身。
★橋本英二氏 1955 (昭和30) 年12月7日生まれ。一橋大商学部卒。1979年新日本製鐵(現・新日鐵住金)。常務執行役員などを経て2016年4月から副社長。熊本県出身。

【表1】を見ていただきたい。
~この表から見えるもの~
◆日本製鉄の前身である官営の八幡製鐵所が八幡村(現在の北九州市八幡東区)で操業したのは、軍事防衛上や筑豊炭田に近く石炭の調達が容易なこと、また鉄鉱石の輸入元である中国に近かったことから白羽の矢が当たったといわれる。
◆1934年に官営から民間5社と合併。民営企業の日本製鐵株式會社が発足。
・戦後の1950年、財閥解体を受けて八幡製鐵・富士製鐵・日鐵汽船・播磨耐火煉瓦に分割されたが、20年後の1970年に八幡製鐵と富士製鐵が合併して新日本製鐵となった。その後もM&A(合併と買収)を繰り返し、新しく発足する日本製鉄は世界3位の鉄鋼メーカーとなっている。
◆橋本氏は海外営業の経験が長く、現在グローバル事業推進本部長を務めているが、昨年6月1日に、スウェーデンの特殊鋼メーカーであるオバコを買収し、完全子会社化を成し遂げたのは同氏の功績の1つといわれる。

【表2】を見ていただきたい。日本国内の鉄鋼メーカーの売上高順位表である。
~この表から見えるもの~
◆売上高第1位は新日鐵住金で前期比+1兆358億円の5兆6,686億円(前期比22.4%増)。当期純利益は前期比+641億円の1,950億円(前期比49.0%増)。
・連結子会社だった日新製鋼の売上高6,141億円(18年3月期)が大きく貢献したが、日新製鋼は12月26日に上場を廃止して、19年1月1日付で新日鐵住金の完全子会社となった。
◆2位はJFEホールディングスで、前期比+3,697億円の3兆6,786億円(前期比11.2%増)。当期純利益は前期比+767億円の1,446億円(前期比113.0%増)と大きく増加しているのがわかる。
・3位は神戸製鋼所で売上高は1兆円を超えているが、4位の日立金属以下は1兆円を下回っており、今後規模の利益を求めて鉄鋼メーカー同士の経営統合が急速に進むことになりそうだ。
<まとめ>
 官営の八幡製鐵所創業から118年。民間の日本製鐵は1934年に発足したが1950年に財閥解体を受けて日本製鐵の名は16年で消えた。爾来苦節69年の月日が流れ、日本製鐵(にほんせいてつ)は、日本製鉄(にっぽんせいてつ)として復活する。鐵の字が「鉄」に変わり、読み方が「にっぽんせいてつ」となるものの、いよいよ「あと5日」で、新日鐵住金から念願の『日本製鉄』に商号が復活変更する。
 日本製鉄の初代トップとなる橋本氏は1月10日、東京都千代田区の本社で記者会見し、「当社の基本方針は世界総合力ナンバーワンのほかはない」と述べ、インドなどの新興国を中心とする海外市場の開拓に意欲を示しており、今後は世界を相手にM&Aを加速させることになりそうだ。

新日鐵住金ホームページ
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【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

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