2024年04月26日( 金 )

【西部ガスグループ】「&and」マークによる価値づくりとホテル新事業が新社屋で始動(後)

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西部ガスリビング(株)
代表取締役社長 工藤 青史 氏
  常務取締役 毛利 誠 氏

「&and」マークのブランディングとホテル事業への参入

 ―社員の意識改革ということでしたが、新社屋への移転のほかにどのような活動をしていますか。

 工藤 意識改革の施策として、各部署の名刺も統一し、企業のブランディング化として「&and」マークを積極的に前面に出していきます。弊社はリフォーム・リノベーション、不動産、マンション管理、セキュリティ、賃貸管理など多岐にわたってBtoCの事業を行っています。これらの事業を「&and」マークを中心に展開しています。リフォーム・リノベーション事業は「&andスタイル」、不動産事業は「&andエステート」、マンション関係は「&andトラスト」、そのほかに「&andセキュリティ」「&andコンフォート」があります。

&andコンフィホテル熊本城ビュー 外観

 毛利 「西部ガスリビング」という名はたしかにその知名度から便利な一面があります。一方で、私たちの仕事の領域は、ガスにまつわることだけでなく、日々の生活サポートからまちづくりに関わる分野まで、いろいろなことに取り組んでいます。「&and」ブランドでBtoCサービスの統一を図ることは、多様化するお客さまの要望に対し、フレキシブルに応えるための意識改革です。

 ―7月には熊本にホテルを開業されますが、なぜホテル事業の参入を始めたのですか。

 工藤 ホテル事業は「&andコンフィホテル」として始めています。ホテル事業はエリアに左右されないという点が大きな理由です。また九州地区でもホテル事業はまだまだ需要があり、将来性が見込めるということもありました。西部ガスグループとしてガス関連事業以外の事業拡大を各関係会社が実施していますが、今回のホテル事業は弊社が自ら起案した事業です。

 ―熊本に最初のホテルを開業される経緯、ホテルの特徴を教えてください。

&andコンフィホテル熊本城ビュー 内観

 工藤 これは私が熊本出身だったこと、西部ガス(株)熊本支社長に6年間在籍していたことが大きいです。熊本であれば事情がわかりますし、人とのつながりももっていました。だからこそ、1棟目は熊本を考えていました。今回、熊本城を観るのにとても良い条件である土地が取れたことも、人とのつながりをもっていたことが大きいです。それに熊本は福岡ほどではありませんが、ホテルの需要が高まっています。弊社以外にも3、4カ所で計画があると聞いています。「&andコンフィホテル熊本城ビュー」最大の特徴は、名前の通り熊本城の景色です。

 半数以上の部屋から熊本城の全景を下から見上げることができますし、屋上も開放する予定です。とくに桜が咲く季節はきれいで、熊本城のライトアップを夜11時までじっくりと観ることができるのも自慢です。価格帯はだいたい8,000円から1万円、ちょっと贅沢なビジネスホテルクラスで考えています。7月1日オープン予定ですが、すでにウェブサイトを開設していますのでそちらから予約を取ることができます。

 ―ホテル事業の今後の展開は。

 工藤 ホテル事業は、当然この1棟だけで終わるのではなく、チェーン化しようと考えています。チェーン化することによって、いろいろなメリットが出てきます。たとえば、カードを作成することで、ほかの店舗に宿泊する際にサインが不必要になりますし、会員制度をつくることで予約などがスムーズにできます。今後の展望としては現在、熊本や長崎で交渉中です。開設地としては、やはり市街地の中心、とくに駅近を考えて動いています。熊本もそうですが、長崎はとくに観光客需要がまだまだ見込めます。

 ―ホテル事業は九州以外でも考えていますか。

 工藤 採算性を考えながらですが、お話があれば全国どこでもと考えます。将来的には海外も視野に入れていきたいところですが、それは後任の世代になるかと思います。まずは、芽が出たばかりのこの事業の根をしっかりと張らせていくことが私の役割だと考えています。

構想から実現に向けて今年は勝負の1年

 ―今後の展望はどうですか。

 工藤 4月には社長4期目となります。社長の内示が決まった時に実行しようと決めていた「自社ビルをもつ」「新事業を始める」「ブランディングを進める」という3つのことが昨年の段階で兆しとして見えてきました。それでもまだスタートラインです。新しい自社ビルは、より利用価値を上げていき、ホテル事業も集客に力をいれ、2店舗、3店舗目も考えていきます。ブランディング化については「ブランド推進プロジェクト」チームを立ち上げて、より「&and」マークを発信していこうと思っています。これらをより深く実現していくこと、そして会社全体が一丸となって取り組んでいく1年にしていきます。

 毛利 昨年、社屋移転をしたことが社員の意識の改革のきっかけとしても、とても良い環境・機会になったと思っています。パピヨン24のグループ本社がある場を離れることで、ガスだけではなく、ガス以外の事業拡大の意識が高まることを期待しています。社員が安心してその方向に進んでいけるように、私たちが率先して取り組んでいかなければならない1年だと考えています。

(了)
【文・構成:麓 由哉】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:工藤 青史
所在地:福岡市東区箱崎ふ頭3-1-35
設 立:1984年4月
資本金:4億8,000万円
売上高:(18/3)108億8,778万円

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