2024年04月24日( 水 )

19年度からICT土工、週休2日工事の普及促進~福岡市

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3Dデータなどの活用により、ほぼ自動施工を可能にするICT建機。画像はコマツのPC200i。

 福岡市は2019年度から、働き方改革の一環として、市発注工事での「ICT活用工事(土工)」と「週休2日工事」の普及促進に取り組む。対象となる工事は、ICT土工が土量1000m3以上、週休2日工事が7,000万円以上(A、Bランク業者)で、いずれも受注者希望型。手を挙げた受注者には、費用負担や評価点加点などのインセンティブを与える。九州地方整備局、九州各県、政令市の合意に基づく取り組みで、国と自治体が連携するのは、九州地方が初めて。同市では、市内建設業者を対象に、研修会や見学会などを行い、実施を促したい考え。いずれも数値目標は設定していない。

 ICT活用工事とは、測量から設計、施工、納品に至るすべての工程で3Dデータを活用する工事で、「建設現場の生産性革命」につながるツールとして、国土交通省が2015年以降、活用を推進している。ICTの活用による人員削減や工期短縮などが狙いだ。土量が少ない工事ではメリットが生かしにくいほか、ICT建機などの購入には相当な費用がかかるため、地方の建設会社の施工実績が伸び悩んでいる現状がある。都市部の工事が多い福岡市では、その傾向が顕著だ。同市発注のICT土工の施工実績は、18年度のアイランドシティでの2件(試行)のみだ。同市担当者は「小規模な土工工事でどこまでICT施工をやれるかは手探り状態」と話している。

 週休2日工事は、工事現場の4週8閉所、現場社員の週休2日取得を指す。大手建設会社では一般的になっているが、地方の建設会社では実施できていない現状がある。工期に間に合わない、日給月給の職人の賃金が減るなどの問題があるためだ。福岡市ではこれまで、週休2日の実施実績はないが、まずは7,000万円以上の工事からスタートし、いずれはすべての工事を対象にしたい考え。そのほか,ゆとり工期の設定や賃金単価の見直しなどが重要となってくる。

【大石 恭正】

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