2024年04月26日( 金 )

福岡県が目指すICT土工、週休2日の普及拡大

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ICTブルドーザー(イメージ画像)

 福岡県は、2019年度からICT活用工事(土工)、週休2日工事の普及拡大を進めようとしている。対象工事は、ICT土工が土量1000m3以上、3,000万円以上。週休2日工事が2000m3以上に設定されている。この取り組みは、今年3月に九州地方整備局をはじめ、管内の8県、3政令市が定めた共通目標に基づくもので、発注者サイドから建設業の働き方改革を推進したい狙いがある。ただ、いずれも受注者希望型のため、発注者主導でどこまで普及拡大するか、不透明な面がある。

 ICT土工とは、掘削や盛土、法面整形などの工事で、測量設計から施工納品まですべての工程で3Dデータを活用する施工手法を指す。福岡県発注工事でのICT土工の実績は、試行発注分が17年度7件、18年度2件のほか、試行発注分以外の自主的なICT導入事例が5件ある。ICT活用工事は、工事評定点の創意工夫の項目で加点される。共通目標として掲げているが、年間の実績数などの数値目標は設定していない。ICT土工は、一定以上の規模の工事でなければ、メリットが出にくい。設備投資も必要なため、大手に比べ体力の低い中小企業の建設業者は敬遠する傾向がある。県担当者は「今後、業界団体などと意見交換し、課題などを整理したい」としている。

 週休2日工事とは、工事現場の4週8閉所、現場社員の週休2日取得を指す。県発注工事での実績は、18年度の6件のみ。適用工事には、同じく評定点の加点、一定の工期の延長、工事費用の加算がある。ただ、数値目標は設定せず、ペナルティーも科さない。週休2日導入には、工期に間に合わなくなる、日給月給の作業員の賃金が減るなどの課題があり、積極的な地場の建設業者は少ないのが現状だ。県担当者は「(業者から)実際の生の声を聞いたうえで、取り組みを進めていきたい」と話している。

【大石 恭正】

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