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2019年06月27日 10:49

現地視察レポート 台湾「COMPUTEX Taipei 2019」が開催!

 2020年1月に実施される台湾の次期総統選に、与党・民主進歩党(民進党)は6月13日に現職の蔡英文総統(62)を公認候補に決定した。予備選は中国に対する強硬姿勢を打ち出した頼清徳・前行政院長(首相・59)との一騎打ちだった。しかし、頼氏が実際に総統になれば、「中国大陸との経済関係に大きな影響が出る」との懸念が終盤に党内外に広がり今回の結果になったといわれる。台湾当局が3月に公表した中台関係に関する世論調査でも、現状維持を求める人が全体の9割を占めた。

 このような政局下で、台湾経済に大きな影響を与える、世界最大級のICT展示会「COMPUTEX Taipei 2019」(共催:台北市コンピュータ同業協会〈TCA〉と中華民国対外貿易発展協会〈TAITRA〉)が、開会式に蔡英文総統を迎え、5月28日(火)から6月1日(土)まで開催された。

開会式 蔡英文 総統
中央が蔡英文 総統、向かって左がTAITRA黄志芳董事長、右がTCA童子賢理事長
フォーラムで
フォーラム会場

南港1号館と2号館を合せるとブース数は約5,000

南港2号館

 「グローバル・テクノロジー・エコシステム」実現のために用意された今年の5つのメインテーマは「AI&IoT」「5G」「ブロックチェーン」「イノベーション&スタートアップ」「ゲーミング&XR」であった。

 昨年との一番大きな違いは会場である。3月に「台北南港展覧館2号館(南港2号館)」が「南港1号館」の正面にオープンした。南港1号館と2号館を合わせると、ブース数は約5,000、会議室数は約38に達する。その結果、「スタートアップ&イノベーション」(台北世界貿易センター 展示ホール1)と「半導体&サービス業スイート」(台北国際会議センター)を除く、「Computex」の大半を南港1号館と2号館で賄えるようになった。今年は1,650出展企業が5,500ブースを構えた(昨年は1,602出展企業で5,015ブース)。

IoTを意識、PC供給基地というイメージを払拭した

 今年はASUS(エイスース)、BenQ(ベンキュー)、MiTAC(マイタック)、Acer(エイサー)msi(マイクロスター・インターナショナル)、DELTA(デルタ電子)など台湾大手企業の多くは、IoTを意識してか、世界のパーソナル・コンピュータの供給基地というイメージを払拭、「スマートリテール」「スマートファクトリー」「スマートホーム」「スマートエナジー」「スマートアグリ」などに大きく舵を切った。

171カ国から42,495名の海外バイヤーが来場した

 171カ国から42,495名(前年比0.5%増)の海外バイヤーが訪れた。海外バイヤーの上位10カ国は、中国、米国、日本、韓国、香港、タイ、シンガポール、ドイツ、マレーシア、インドとなった。また、イノベーションとスタートアップに特化したエリア「InnoVEX 」においては、18,251名(前年比3%増)が来場、スタートアップの著しい活力を示した。日本の沖縄県も「InnoVEX」エリアに県単位でブースを構えた。

沖縄県のブース

 世界76カ国の有力バイヤーは、470セッションもの1対1調達ミーティングに参加した。さらに今年は、45ものインターナショナルベンチャーキャピタル(Samsung NEXT、LINE、デルタ、中國信託、イスラエル最大の資金調達プラットフォーム「OurCrowd」など)が招かれ、新興企業69社とのマッチングが行われた。

総額10万米ドルのeスポーツチャリティイベント

 Computexでは初めてのeスポーツチャリティイベント「ZOTAC CUPチャリティLoLトーナメント」が、グランドファイナルの賞金総額10万米ドル(約1,000万円)を賭け、インターナショナルステージで行われた。世界のeスポーツ市場は、2019年に初めて10億米ドル(約1,000億円)を突破、年間成長率は30%に達すると予測されている。今、世界各国のメーカーによるeスポーツ市場の争奪戦が始まっている。ユーザーの使用体験を向上させるためのXR(「VR(仮想現実)」「AR(拡張現実)」「MR(複合現実)」などの総称)技術分野の競争も激しくなっている。今年は同エリアには、上流から下流まで100社近いメーカーが顔をそろえた。

台湾の夏、政局は、これから増々暑く、熱くなる

 香港では6月の第1週に、中国の支配強化に反対する、返還後最大規模(主催者の発表で100万人)デモが行われた。台湾政局であるが、最大野党の国民党は7月中旬頃に、民進党同様、世論調査で支持率が高い方を選ぶ方法を採用して公認候補を決める方針である。現在、韓国瑜・高雄市長(61)と鴻海精密工業の郭台銘理事長(68)の事実上の一騎打ちの様相を呈している。蔡英文総統の支持率は、就任当時は47%あったものの、蔡政権の中間評価の位置づけであった、昨年11月の統一地方選では、長引く景気の低迷を受けて国民党に大敗した。しかし、最近の総統選をめぐる調査では、香港騒動などを受けて、持ち直し傾向にある。台湾の夏、政局は、これから増々、暑く、熱くなっていく。

【金木 亮憲】

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