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2019年06月28日 10:57

中国経済新聞に学ぶ~ユニクロTシャツ人気が映す中国社会の新事情 「新貧民」エコノミクス(前)

 今月3日、「ユニクロで服を買い占める」光景を大勢の人がSNSで目撃した。この買い占め劇を引き起こしたのは、ユニクロが売り出した、米国のアーティストのカウズとコラボレーションしたTシャツだ。

買い占めの状況

 人気の靴を買うために並ぶ、ファストファッションブランドと高級ブランドの有名デザイナーとのダブルネーム商品を争って手に入れるというのはよく耳にする。しかし今回のユニクロ買い占め劇の背後にいるカウズは、多くの人にとってあまりなじみのない名前だ。2カ月ほど前、カウズの作品が1億香港ドル(13.80億円)で落札されたという。そんなカウズだが、ユニクロとのコラボは今回が初めてではない。

 今回のコラボシリーズでは、カウズがここ数年打ち出しているストリートアート作品が取り入れられており、発売からそれほど経っていない「コンパニオンシリーズ」のピンクBFFとブルーBFFもある。また今回がユニクロとの最後のコラボになるという。

 カウズの「バッテンをした目、大きな耳」のキャラクターが、コラボを出せば大人気となったのはなぜだろうか。

 今年4月1日、カウズの2005年の作品「ザ・カウズ・アルバム」が、香港でのオークションで1億1,600万香港ドルで落札された。オークション前の予想価格は600万香港ドルだった。

 この作品は英国のビートルズが1967年に出したアルバムのジャケットにインスピレーションを得たもので、オリジナルのキャラクター・キンプソンがちりばめられ、ビートルズとキンプソンが融合して1m2の画面を形作る。

 多くのアーティストは亡くなってから評判が上がり作品に破格の値段がつくようになるが、カウズはまだ45歳ながら創作のピークを迎えており、今回の落札価格が何よりもその実力を証明している。

 コラボは今やユニクロにとって打ち出の小槌で、ユニクロが非常にうまくやっているのは、なんといっても時代の変化というチャンスをつかまえたことが大きい。1996年から2006年までの間に、日本の失業率は3.4%から4.1%に上昇し、日本国民はお金がありゆとりもある人と、お金はあるがゆとりのない人とに分かれていった。お金はあるがゆとりがない「新貧民」は低価格で自分の感性にあった品物を求めるようになり、時流に乗って登場した無印良品やユニクロがこうした人々の代表的なブランドになっている。

 今回、中国で話題となっているユニクロとカウズのコラボTシャツの異常な人気についても、「カウズとディオールのコラボもあるが、値段が高くて、半袖Tシャツが千元(約1万6,000円)ぐらいもする。ユニクロなら100元以下で買えるので、みんな競って買いに来るのだろう」と説明する人もいる。

(つづく)


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