• このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年07月02日 11:31

華南経済圏視察を振り返って~トランプ大統領の恫喝に屈せず(1)

 6月23日(日)から26日(水)まで、華南経済圏視察団を組織して14名で香港―マカオ―深圳―香港を廻った。香港に着くとあまりの蒸し暑さに驚いた。マカオも同様である。福岡が毎年のように暑ければ、すぐに順応できるのだが、今年は異常に涼しいので慣れるのに一苦労した。

 今回の経済視察団を組織した目的は(1)華南経済圏の潜在能力を知るため、(2)ファーウェイ(華為技術)の本社を見て、同社がアメリカのトランプ大統領の恫喝に屈するのかどうか、(3)香港・マカオにある大きな橋(港珠澳大橋)を渡るため、(4)マカオでカジノを体験して同地の将来を読み解くため、(5)香港の若者たちによる中国政府への抗議の流れを見極めるためである。


福岡定住の魅力

 1回目は港珠澳大橋からレポートしよう。23日の集合時間である午後1時10分までに14名全員が遅れずに集合した。空港には海外への往来で飛行機を利用する人たちが数多くいた。

 もともと香港~福岡間は1日3便運航していたが、キャセイパシフィック空港の子会社(キャセイドラゴン)も運行するようになり、現在は1日5便運航している。

 筆者が利用したK343便には200人ほどの乗客がおり、アシスタントスタッフのなかに日本人が3名いた。

 午後3時10分発、現地時間5時10分に到着した。以前は台北経由が大半だったので、4時間半かかっていたが、ずいぶん早く着くようになったものである。

 今回は福岡-香港-マカオ-深圳・中国-香港-福岡と4カ国・出入国できるので、パスポートにスタンプがたくさん押されると期待していたのだが、残念。スタンプはなくなった。自慢できない。

 同行者の横に40代前半の香港の婦人が同席していたらしい。聞くところによると博多区に2つのマンションを所有しているとか。現在は香港でビジネスをして稼いでいる。「退職したら福岡で生活したい」と本音を漏らしていたらしい。完全に中国復帰になった際には香港に見切りをつけようという計画をもっているのであろうか。香港人の心境は非常に複雑である。

中国の橋づくりの見本、港珠澳大橋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
※クリックで拡大

 香港空港に到着したのは夕方である。空港を出て乗合バスでマカオへの出国ステーションへと向かうと、大陸からのお客さんで混雑していた。とくに中高年女性の団体客が多かった。出国ゲートを抜けてバスに乗る。昨年10月に開通した橋の距離は50km弱(橋の長さは一覧を参照してもらいたい)。09年12月に工事が開始され、18年10月に完工した。マカオへフェリーを使って移動していたころの所要時間は70分、橋を利用すれば40分である。ただ、時間の圧縮よりも自動車=バスによる運送量の大幅拡大のほうがメリットは大きいといえる。

 筆者は中国で話題となる橋には意識的にツアーを組んできた。世界の橋の長さランキング11位の東海大橋は東シナ海に浮かぶ洋山島に架けられた橋だ。この洋山島に世界最大級の洋山深水港が建設されたので、その港を視察するために渡ったのである。

 10位にランクインしている杭州湾海上大橋をバスで渡ったのが2009年のことであった。揚子江の河口にある橋も通過したことがある。橋の長さランキングを見ると一目瞭然だが、中国の橋が大半を占めている。実績からみても中国はいまや世界一の橋づくりの技術力を有していると評価できる。その最高峰の作品が港珠澳大橋といえるだろう。これだけの長橋を建設してきた中国の実績には、到底どの国の技術力もおよばないだろう。

 港珠澳大橋は片道3車線になっている。現在はまだ一般車両の運送許可を与えていない。バスだけの往復運航だけが許可されており、バスだけでもひっきり無しに走っている。それだけ利用する観光客が多いということである。そこで意外な事実に気づいた。車が右側走行しているのである。マカオ・香港の車は左側走行なので、日本と同じはずだ。調べてみると中国政府がこの大橋の管理運営をしているのである。だから車が左側走行なのだ。そうこうするうちに40分でマカオ入国審査場に就いた。

(つづく)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2020年02月23日 07:00

日本発の「折紙工学」産業化に向けて離陸へ(3)NEW!

 こうした製品化への応用が進む折紙工学だが、萩原氏が折紙工学の研究に向かうきっかけは自動車の衝突対策であった。萩原氏は1972年、工学系の修士課程を終えて日産自動車(...

2020年02月23日 07:00

コンビニ業界大激変時代~月刊コンビニ 編集委員 梅澤 聡 氏(6)NEW!

 セブン-イレブンは、従業員の作業時間と作業量の削減を目的とした省人化の実験を19年7月「セブン-イレブン町田玉川学園5丁目店」(東京・町田市)でスタート、同年12月...

2020年02月22日 07:00

日本発の「折紙工学」産業化に向けて離陸へ(2)

 折紙工学を基に実用化された製品も登場してきている。萩原氏は、衛生用品の大手メーカー、ユニ・チャーム(株)と共同で、平面の紙を立体的に表現する「折紙工学」を応用してフ...

2020年02月22日 07:00

コンビニ業界大激変時代~月刊コンビニ 編集委員 梅澤 聡 氏(5)

 チェーン本部がいま最も腐心するのが、店舗運営におけるコスト削減である。納品時の検品レスやスライド棚による作業軽減、食器洗い機の導入、カウンターフーズのセルフ販売、発...

2020年02月21日 17:23

【熊本】動き始めた熊本空港アクセス鉄道~熊本地震が“追い風”

 熊本県で長年懸案になっていた熊本市街地と熊本空港を短時間で結ぶアクセス交通の整備計画が動き始めた。2016年4月の熊本地震への復興支援が“追い風”になり、定時輸送で...

2020年02月21日 16:56

『第10回日本山岳遺産サミット』に参加して

 「第10回日本山岳遺産サミット」が2月15日(土)、東京都千代田区一ツ橋にある一橋大学講堂で開催された。日本山岳遺産サミットとは、2019年度の日本山岳遺産認定地の...

2020年02月21日 16:28

通期予想、達成厳しいイズミ、MV九州、ナフコ~主要6社、1月末現在の売上高進捗状況

 2、3月期決算まで残すところ1~2カ月を切った。そこで月次売上増減率を公表している6社を対象に1月末現在の売上高の進捗状況を調べた。

2020年02月21日 15:00

厚生労働省公表の「ブラック企業」2月18日発表 福岡労働局分

 厚生労働省は17年5月から、労働基準関係法令に違反し書類送検された企業の一覧表をホームページに掲載している。

2020年02月21日 14:50

「検察崩壊元年」ゴーンの反撃(12)

 60年前の昭和30年代に起きた「白山丸事件」。「犯人が国外にいる」ことだけで公訴時効は中断する、という判例で、現在もこれが盛んに悪用され、事件そのものを検察が知らな...

2020年02月21日 14:00

インターネット時代における言論人の使命・責任とは何か!(3)

 第2セッションのテーマは「ジャーナリズム挑戦課題」である。座長はPeter Zoerher(国連UPF ヨーロッパ&中東メディア担当ディレクター)で、6人のパネリス...

pagetop