2024年03月29日( 金 )

オペレータとの連携で開発加速 博多・冷泉町でホテルを計画

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ABアコモとタッグ

左)取締役不動産コンサルティング 本部長 外川 太郎 氏
右)不動産コンサルティング本部 主任 飯村 亮平 氏

 開発から再生まで、不動産に関わるビジネスを幅広く手がけてきた(株)ビーロット。近年、東京や大阪などの大都市部だけでなく、那覇・小樽・京都などの地方都市における宿泊施設の開発も目立ち始めた。

 ホテル・ホステルの企画・設計・運営などを手がけるABアコモ(株)と最初にタッグを組んだ宿泊施設は、新宿の古ビルをコンバージョンしたホステル「IMANO TOKYO(イマノ東京)」。同ホステルは、開発をビーロット、ホステル運営をABアコモが手がけ、運営実績を蓄積したところで海外投資家へ売却している。この第1弾以降、ビーロットが開発・ABアコモが運営を手がける宿泊施設の数は増加。昨年開業した「ホテル・トリフィート小樽運河」(北海道小樽市)では、日本ならではの畳の部屋や小樽の倉庫街などをテーマにした部屋など、地域色を打ち出した3タイプの空間がつくられた。

 小樽での成功を経て、ついに福岡にもホテルが開発されることが明らかとなった。約300坪の敷地に、延床1,000坪超、130室のホテルが来年9月に開業する。開発用地は福岡の夏の風物詩・博多祇園山笠の「追山」のコースにも近い、博多区の冷泉町。大通り沿いのシティホテルとは異なるが、「博多の旧市街に立地するホテルとしてふさわしい施設となる予定」(ビーロット広報)だという。ホテルの運営は、これまでのIMANO(イマノ)シリーズ、ホテル・トリフィート小樽運河と同様にABアコモが手がける。

 このように同社では、運営業者との連携を図ることによって、自社ブランドをつくらず、運営業者の意見を取り入れながら開発することで、事業スピードを向上させてきた。これにより、収支だけに関わらず、外観デザインや内装、動線の効率化などをより効果的なものにできたという。

地域と人々をつなぐホテル

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 冷泉町で新たに開発されるホテルは、1階にレストランとラウンジ、2階には大浴場が設けられる。大浴場には著名な銭湯絵師を起用し、博多界隈・九州界隈のゆかりの絵が描かれる予定だ。さらに、シングルルームの面積は一般的に13m2程度といわれるが、同ホテルは16m2と広めに設定。ダブルベッドを部屋に配し、インバウンドにもビジネスパーソンの出張にも対応できる計画だ。ホテルのテーマは「HAKATA de FUSION」。自然と人工、伝統と革新、アートと空間。博多とさまざまな要素との融合を体感できる施設とする。

 同社取締役不動産コンサルティング本部長・外川太郎氏は、ホテル開発への意気込みを次のように話す。

 「私たちも福岡に出張するときに、時期によってなかなかホテルの予約が取れないと感じていました。他都市と比較しても、年平均宿泊単価も高い。供給不足を肌で感じ、福岡でのホテル開発を決断しました。ビジネスに軸足を置きつつ、インバウンドを狙ったホテルのつくりこみをしています。また、ホテル内に山笠のイメージを取り込み、博多伝統工芸品を意識したしつらえを施し、さらに大浴場を設置することで、博多や日本の伝統文化を実体験できるようなホテルとなる予定です。インバウンド、ビジネスパーソンいずれにも楽しみ、くつろいでいただけるホテルにしたいですね」。

 同社が開業を予定しているのは、これだけではない。今年8月9日、地下鉄・中洲川端駅直結の博多リバレインモールの地下1階に「カプセルホテル・ナインアワーズ中洲川端駅」(127室)が開業する。運営はナインアワーズが手がけ、福岡では初の宿泊施設となる。いずれも外国人に限らず人気の観光エリア・中洲に立地するホテルとなり、開業による効果が期待される。

【長井 雄一朗】

<Company Information>
(株)ビーロット

代 表:宮内 誠
東京本社:東京都港区新橋1-11-7 新橋センタープレイス10F
設 立:2008年10月
資本金:10億2,401万7,683円
TEL:03-6891-2525
URL:https://www.b-lot.co.jp

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