2024年03月29日( 金 )

中国経済新聞に学ぶ~外資の持ち株もしくは単独経営を認める範囲を拡大(後) 

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質問‥参入前内国民待遇とネガティブリストによる管理制度が外商投資法に明記された。2019年版外資参入ネガティブリストの実施はいかにこれを示すか。

 答え‥参入前内国民待遇とネガティブリストによる管理制度の全面的な実施は、中国が開放型経済新体制を構築する重要な措置であり、主に次の4つの面で示される。

 (一)透明な政策。外資参入ネガティブリストは統一的かつ透明な形式により、出資の要求、取締役の要求など参入前内国民待遇と合致しない特別な管理措置を明記する。

 (二)参入条件の緩和。外資参入ネガティブリストの制定・改訂により、開放拡大を続け、外資の規制を減らし、ネガティブリストを簡略化する。

 (三)平等な待遇。ネガティブリストを除く分野では外資のみを対象とする参入規制を設けてはならない。市場参入基準の国内外一致を保証する。参入後は国内外企業を同一視し、平等に扱う。

 (四)管理の簡略化。ネガティブリストを除く分野は国内外一致の原則に基づき管理し、属地化登録を中心とする管理方法を実施する。現在はオンライン手続きをほぼ実現している。

 今年3月に発表された外商投資法は、国が外商投資に対して参入前内国民待遇とネガティブリストによる管理制度を実施すると明確に規定した。改革の成果の総括を法律に格上げし、外資参入ネガティブリスト及び関連制度の実施に基本的な法的根拠を提供した。

 国家発改委は商務部などの部門及び地方と共同で、新たなネガティブリストの実施作業を真剣に行う。新たな開放措置のうち法規及び文書調整に関わるものについては、順序に従い改訂もしくは撤廃を急ぎ、政策の一致性を高める。年末までに外資参入ネガティブリスト以外の規制を全面的に撤廃する。

質問‥2019年版の「外商投資奨励産業目録」の策定には、どのような全体方針があるのか。

 答え‥中国は経済の高品質発展の推進、伝統産業の改造・アップグレードの推進、新興産業の発展加速の促進、地域発展構造の改善に取り組み、力強い国内市場の形成を促す。これは外商投資に向けより多くのチャンスを生み出し、また外商投資促進政策の改善に対して新たな要求を突きつけている。

 2019年版の奨励目録の策定の全体方針はこうだ。外商投資奨励策の連続性・安定性を維持した上で、経済グローバル化の新情勢に適応し、産業発展の新しい状況と特徴を結びつけ、外商投資奨励範囲をさらに拡大する。外資の現代農業、先進製造、ハイテク、省エネ・環境保護、現代サービス業などの分野における投資を促進し、外資の地域事業展開の改善を促進する。中国の産業発展、技術進歩、構造改善における外資の積極的な力をより良く発揮する。

 2019年版の奨励目録は新時代の中国の外商投資促進産業の重要な根拠だ。内容を見ると、2つのサブ目録が含まれる。まずは全国外商投資奨励産業目録で、全国に適用される。これは外商投資産業促進政策だ。次に中西部地区外商投資優勢産業目録で、主に中西部地区及び東北地区に適用される。これは外商投資地域促進政策だ。

 旧「外商投資産業指導目録」奨励類、「中西部地区外商投資優勢産業目録」関連の奨励類政策は引き続き、2019年版の奨励目録に適用される。これには主に次の内容が含まれる。

 (1)外・商投資奨励プロジェクトについては、投資総額内の自社用輸入設備に対して関税を免除する。
(2)条件に合致する西部地区奨励類産業の外商投資企業については、企業所得税を15%に引き下げる。
(3)集約土地使用の奨励類外商投資工業プロジェクト優先供給土地については、所在地の土地等別に対応する全国工業用地譲渡最低価格基準の70%以上で土地の最低譲渡価格が確定される。

(了)


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