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2019年08月26日 09:20

IoT革命は現実になるのか(前)

日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏

 最近、物同士がインターネットにつながるようになる「IoT」が新聞紙上をにぎわしている。

 IoTは4次産業革命において欠かせない概念で、家電製品などを中心に、私たちの日常生活にも少しずつ浸透しはじめている。

 今回はIoT革命ははたしてどのようなもので、本当に実現するのかを取り上げてみよう。

 IoTとは、「Internet of Things」の略称で、私たちの身の回りのさまざまなモノがインターネットにつながるということである。センサーと通信機能を備えているもの同士がインターネットによってつながり、モノ同士が通信することを指している。

 このようなことが実現できるようになったのは、ネットワーク技術の進歩と、デバイスやセンサーが安価で手に入ることなどによってIoTの基盤が整ったからである。

 IoTの構成要素といえば、何らかの変化をセンサーのような入力デバイスが感知し、その情報を電気信号に変換して通信モジュールなどのIoTデバイスに送る。通信モジュールが送信する情報をバケット通信網経由で集め、クラウドに保管、それを分析して、分析結果から意味のある情報を導き出す。それを人間を介さずに、機械同士に担わせることだ。

 今までのインターネットは人間同士のやり取りが特徴だった。一方、IoTは人間同士だけではなく。物同士のデータのやり取りを実現している。その結果、膨大な量のデータが発生するのは容易に想像ができる。

 このような膨大なデータを人間だけが解析するのは限界があるので、人工知能などを活用しようとしているわけだ。

 IoTは自動車の自動走行などを中心に、意欲的に進められている。IoTが導入されることによって、今まで体験できなかった新しい機能やサービスが提供されるようになる。また、今まで把握できなかった新しい情報の入手も試みている。

 情報収集の入力デバイスであるセンサーの代表格には、温度、湿度、加速度、圧力センサーなどがある。

 だが、ひとくちにIoTと言っても、実際にはいくつかのレベルがある。レベル1は周辺環境の変化を測定し、その結果を送信するレベルである。

 レベル2は、周辺環境の変化を測定し、その結果を送信するだけでなく、測定結果により何か意思決定をして、環境を変えるレベルである。

 最後のレベル3は、周辺にほかの機器があることを認知し、ほかの機器と通信し、協調できるレベルである。

 自動車を例にいうならば、タイヤの空気圧を測定して送信するのがレベル1で、道路の車線が自動的に認識され、自動でハンドルを操作してくれるのがレベル2、レベル3は、道路を走行しているほかの自動車が認識され、互いに通信しながら自動走行できるレベルであろう。

 現在の技術水準はレベル2に達している。ところが、現実はどうかというと、最近、通信機能搭載でIoTを実現したという謳い文句の製品をよく見かけるようになった。

 通信機能が追加されただけで、IoT製品になるかといえば、少し疑問である。マーケティング的には製品の販売にプラスになるかもしれないが、実際はそのような製品は本当の意味のIoT製品に該当しないので、何の意味もなさない。

(つづく)

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