2024年03月29日( 金 )

入会後半年はアカデミーで学ぶ 卒業者3名それぞれの印象は?

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(一社)博多21の会

 (一社)博多21の会では入会後、約半年間はアカデミー委員会に配属される。同会の入口となるアカデミー委員会では3月に観桜会、5月に通りもん、7月に追い山ならし、9月に放生会幕だしなどさまざまな行事で新入会員を迎え、先輩会員との親睦を深めて会の基本的なスタンスを学んでもらう。そんなアカデミー期間を終えたばかりの新入会員3名(財津ユカ氏、廣田強氏、古賀尚与氏)に現在の印象を聞いてみた。

アカデミーを卒業する潜入会員の方々 ​​​​​​​左から財津ユカ氏、廣田強氏、古賀尚与氏
アカデミーを卒業する潜入会員の方々
左から財津ユカ氏、廣田強氏、古賀尚与氏

福博の歳時に係る行事が目白押し

 ――入会から半年が経ちましたが会へのイメージは変わりましたか。

 廣田 入会前の話では、九州の経済界を動かすような人たちと会ってお酒を飲んで、いろいろと勉強になるよということでした。これまでそういった環境を知りませんでしたし不安もあったのですが、皆さま暖かく迎え入れてくれて、一流の先輩方なのにこんなに普通に接してくれるんだという、器の大きさを感じたことが第一印象ですね。先輩方からアドバイスをいただいたり、仲間が増えたりして、それぞれの社会的立場を越えたところで楽しめる会だなという印象です。仕事云々というよりも、ものすごく自分の身になることが多いと思います。自分自身が社長として成長することに期待感をもっています。

 古賀 入会前は正直、少し堅苦しいイメージでしたが、実際に入会してみると立派な会社の経営者ばかりで、普段会えないような方たちと気軽にお話ができて、すごく勉強になっています。皆さま本当に私たち新入会員のことを気にかけてくださって、よく声をかけてもらえるのでありがたいですね。これからも先輩方との話のなかからいろいろなことを吸収させてもらい、楽しく活動していきたいと思っています。

 財津 以前所属していた団体を卒業して、久しぶりに経済団体に所属するのもいいかなという気持ちで入会しました。入ってみると、各方面で現在の福岡をつくり上げて来られたような先輩方から直接お話を聞くことができたり、福岡でビジネスをしている私たちの土壌となる街の歴史・文化を体験できて、思った以上に入会して良かったなという気持ちです。また、着物文化に興味があるので、浴衣や着物を着て出かける催し物を楽しんでます。

 ――アカデミー委員会で印象に残っていることを教えてください。

 廣田 花見にしても山笠にしても、普段一般ではいけないところに行って楽しめるというのが、ものすごく印象的です。遊び方もきれいだし、派手だし、かっこいいですね。

 古賀 追い山ならし見学が一番印象に残っています。山笠のことは知っていましたが、あんなに近くで見る機会はありませんでした。山をかく男衆たちの真剣な眼差しには本当に感動しました。

 財津 台湾からの方々との交流で一緒に広島に行って厳島神社を参拝したことが印象的でした。また、博多どんたくの際に「通りもん」で会員の店舗をどんたく囃子で踊りまわって、お酒を振舞われるというのも初めての経験で楽しかったです。

 ――これからの新入会員に向けてメッセージをお願いします。

 廣田 アカデミーに入って、アカデミーだけで半年終わる人もいると思うんですけど、自分のスケジュールが合えば、いろいろな委員会に顔を出すと知り合いも増えて居心地も良くなるし、そういう遊び方をしてもらいたいですね。これだけ会員がいる団体なので、自分から徐々に積極的に参加していくほうが良いと思います。私は会が発行しているかわら版をみて、興味があったら積極的に参加するようにしています。

 古賀 良い意味で臆せず、気を遣わずに先輩方に自分から話しかけていくといいと思います。緊張はするんですけど、皆さま必ず向き合ってくださいます。本当にすごく良い先輩方ばかりなので緊張せずに、友人になりたいという気持ちで自分から話しかけていくのが大事ですね。

 財津 せっかくなので、入った以上は少しでも多くの委員会に参加してもらいたいですね。決められたことだけしかしないのは勿体ないと思うので、積極的にいろいろな方たちに関わっていくようにすれば、もっともっと自分の世界が広がるように思います。

【児玉 崇】

取材メモ

 空港問題や教育問題、環境問題など、さまざまな提言活動を行ってきた博多21の会が会員数を拡大している。多くの経済団体が会員減少に苦しむなか、同会の魅力とは一体何なのか。提言を行うことで会員拡大がストップするという懸念も聞かれたが、はたしてそうであろうか。

 提言するには会で異なる意見を集約し、主張をまとめる必要がある。それぞれ立場をもつ経営者の会であればなおさら、軋轢が生まれるのは必至であろう。しかし、この軋轢を乗り越えて提言することで、会の発展が担保されるように思える。

 アライアンスの成否は「志」が同じであるかどうかに決まるという。仲良しクラブの切磋琢磨では響かない。設立以来のアイデンティティーを発展させ、会員を拡大していくさまを見てみたい。

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これからの35年に向けて 今、何を、どう見つめ直すべきか(前)

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