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2019年12月29日 07:30

未来に受け継がれる食文化の構築を目指すアキラグループの魅力とは 一樹百穫 

鮮魚介類の仲買、不動産の賃貸
(株)アキラ水産

魚食の普及に注力

 1918(大正7)年に創業し、2018年に100周年を迎えた(株)アキラ水産。博多の台所「柳橋連合市場」のルーツとなった「明市場」が同社の始まり。安部泰宏代表取締役社長の祖父・栄次郎氏と伯父の明氏、父の篤助氏が起業し、仲卸業を始めたのが1960年。これからの時代はスーパーマーケットの時代が来ると安部社長が判断し、篤助氏が切り盛りしていた鮮魚店を量販店向けの業態にチェンジ。その後、業績は右肩上がりでアップし、今では福岡水産業のリーディングカンパニーとしての確固たる地位を得ている。

 現在は「福岡市中央卸売市場」の鮮魚市場で仲買を営むアキラ水産のほか、(株)コウトク水産、(株)安部水産、(株)四季海せん(魚みっつの造語)、塩干・冷凍物を取り扱う(株)一心、加工・通販の(株)アキラ・トータルプランニングの5社でグループを形成し、年間100億円以上を売り上げている。

消費者ニーズの変化に対応

人気商品「アキラの鯛茶」
人気商品「アキラの鯛茶」

 近年では、魚市場を取り巻く環境は激変。「獲れない、売れない、食べない」のないない尽くしという状況だ。漁獲高は年々減少し、市場全体の売上高はピーク時に比べると3分の1にまで落ち込んだ。加えて若者の魚食離れも進み、調理に手間のかかる丸魚を買って調理する人は少なくなった。

 そのようななか、同社では水産加工業を本格化。2016年7月には古賀工場を建設し、17年には市場内の工場をリニューアル。焼く・煮る・揚げる・蒸すといった加工ができる設備をそろえ、人気商品「アキラの鯛茶」を始め、オリジナル商品を開発している。

「市民感謝デー」には安部社長も参加
「市民感謝デー」には安部社長も参加

 その一方で、業界全体の活性化にも力を注いでいる。安部社長は福岡魚食普及推進協議会の会長も務めており、福岡市民の間ではすでに定着した市場開放イベント「市民感謝デー」や16年2月にオープンしたアンテナショップ・四季海せんなど、さまざまな取り組みを行い、魚食の普及に努めている。多くの人々が詰めかける「市民感謝デー」について、安部社長は「うち1社だけではなく、水産業全体の再興につながればと思って始めましたが、これほど受け入れられるとは思っていませんでした。需要はまだあるということでしょうから嬉しい限りですね」と語る。

顧客と社員を大切に

現場での人材育成で「顧客第一主義」を実践
現場での人材育成で「顧客第一主義」を実践

 今やグループで社員約100名、売上高100億円を超える企業にまで成長を遂げた同社。その成長を支えているのは徹底した「顧客第一主義」と同企業で働く「人材」だ。同グループでは「常にお客様志向の経営姿勢で、未来の食文化の構築に力を注いでいく」という経営理念のもと、顧客の声に耳を傾け、自分たちができる最善を提供することを心がけている。こうして顧客との信頼関係を着実に構築してきたからこそ、仲卸業者として常にトップクラスの実績を積み上げてきた。

 人材育成についてはどうだろうか。安部社長が言う「商品価値を高めるのは、そこで働く“人”だという理念のもと、社員1人ひとりを現場で実践的に教えながら、一人前のプロへと育て上げます。一瞬の利益より長期的な利益を生むには、やはり人間力」という言葉からもわかるように、商品の価値を高めようと考えるとめぐりめぐって“人”を磨くことが重要だ。同社では若手であっても大きな仕事に関われることが経験という糧になり、本人の自信にもつながる仕組みができており、何より幅広い事業展開によりグループ企業への異動が可能なことが大きな魅力となっている。

 たとえば卸業に向いていないとなった場合、加工や通販事業など違ったかたちで働けるということだ。また、労働環境の見直しにもいち早く取り組んでいる。社員がより働きやすい環境でなければ良い仕事ができないという考えのため、福利厚生には力を入れている。

アキラグループ営業統括責任者 上田 浩祐 氏
アキラグループ営業統括責任者 上田 浩祐 氏

 やりがいを見出せる職場環境が人材育成を促す好循環が同グループ内ではでき上がっている。同社の場合、総合仲卸事業だけではなく、太物事業、特種物事業、冷凍・塩干物事業、加工・通販事業、直販事業といった業務を展開しているため、漁獲量によって不安定になる水産業界にあっても安定した経営を行えている。安定した基盤があるからこそ、社員たちは将来の不安を抱えることなく業務に従事できるのだ。

 アキラ水産取締役副社長兼アキラグループ営業統括責任者の上田浩祐氏はこれから社会に羽ばたく学生たちに向けて「私たちの仕事は衣食住の“食”に関わる、なくてはならないもの。魚離れが嘆かれていますが、私はピンチこそ最大のチャンスだと考えています。この仕事を始めるのに、専門的な知識はいりません。夢を描いて業界の未来を変えていきたいという方、ぜひお待ちしています」と括る。あなたも福岡の魚食を支える1人になってみませんか?

<COMPANY INFORMATION>
代 表:安部 泰宏
所在地:福岡市中央区長浜3-11-3-711
設 立:1969年9月
資本金:4,850万円
TEL:092-711-6601
URL:https://www.akirasuisan.co.jp/recruit

25周年記念出版雑誌 『一樹百穫』 一覧

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