• このエントリーをはてなブックマークに追加
2020年01月15日 07:00

顧客と従業員を信頼しておかげさまで43年 一味違うサッシ工事業者へ 一樹百穫 

サッシ工事
(株)サンヨー建材工業

本社社屋
本社社屋

建物に欠かせないサッシ工事とは

 発注者―元請―下請と多くの事業者が関わる重層構造の建設業界では、お互いの信頼関係が最も重要視されるといっても過言ではない。建具工事業者・(株)サンヨー建材工業もこの重層構造に属している。

 建具とは住宅の開口部に取り付けられる「仕切り」の総称を表す。建物の外と室内を仕切り、風雨を遮る、個室をつくる、さらに個室内を仕切り、収納をつくる。このときに使用される玄関ドアや障子、ふすま、窓やサッシなどが建具の代表的なものだ。これらをみてもわかるように建具がない建物はないのだ。とくに住居用では、断熱性や防音性ひいては防犯性など生活に関わる重要な部分にあたり、取り付ける建具によって建物の性能だけでなく見るものに与えるイメージも大きく変わってくる。

 マンションデベロッパーを主体に構成される業界団体・(一社)九州住宅産業協会に加盟していることからもわかるように、同社が施工するサッシ工事で最も多いのは分譲マンションだが、商業施設や小中学校や高等学校、介護施設など、これまで窓のある建物すべてに関わってきた。メーカーでもデベロッパーでもないため、「サンヨー建材工業」の社名を見かけることは少ないが、同社が関わった建物は街中にあふれているのだ。

顧客目線の徹底により競争激しい業界で躍進

 同社の越智多見男社長は人脈を駆使し、マンションデベロッパーを始め、ゼネコンや介護施設運営会社、メーカーとの信頼関係を構築してきた。また、人脈だけでなく、その施工力を買われて継続的に受注することに成功。受注先は大手ゼネコンから地場ゼネコンまで多岐にわたっている。

 「特別なことはしていません」と話す越智社長だったが、創業来43年にわたって取引先からの信頼を得てきたことについて、次のように続けた。「『努力と機動力』を理念に掲げ、顧客の求めるものを丁寧に聞き、それを徹底することです。それには、『勘―感性』も重要です」。その結果として、サッシ工事業者としては、ほかを圧倒するほどの規模を誇るまでに事業を拡大してきた。

 アルミサッシは木製サッシに比べて施工が容易であることから異業種による参入が増加。競合ひしめくサッシ工事業界で地道な営業活動を積み重ね、飯塚地区・福岡地区で知名度を拡大。ビル用アルミサッシ、スチール・軽量製、ステンレス製建具およびガラス・鏡などの建築資材の販売および施工を手がけてきた。

 工期や価格、施工品質などを重視する顧客目線の戦略が功を奏し、受注は好調に推移。2010年代前半に8億~9億円で推移していた売上高は増収基調をたどり、19年9月期には飯塚本社だけで15億円を超えた。業績を大きく伸ばしたのは、建設需要の高まりだけでなく、徹底的な顧客主義に基づいて長年蓄積してきた施工実績による同社への信頼が最も大きいといえる。

左から越智多見男社長、越智信次常務
左から越智多見男社長、越智信次常務

施工力=従業員を信頼すること

 理念である『努力と機動力』は、顧客ニーズを重視するサンヨー建材工業のスタンスを表した言葉だ。建設需要が高まるにつれ、職人不足が顕在化。「施工業者が見つからない」といった声も多く聞かれるようになったが、施工業者の獲得については、これまで積み上げてきた関係性によって決まることも少なくない。時代の流れを読みながら、時代にあった経営を心がける。このように、当たり前のことを当たり前にできる経営力が同社の基盤を築き、それが右肩上がりの受注を支える要因になっているのだ。

 このように、同社の強みは越智多見男社長の人脈と施工力だ。これらは経営の両輪であり、その相関性は躍進を続ける同社の原動力となっている。仕事熱心で知られる越智社長が同社を牽引しているのは間違いないが、そのリーダーシップと理念に共感した役員と従業員が一丸となって仕事に取り組むことで高い施工力を維持してきたことも忘れてはならない。従業員を信頼しているからこそ、越智社長は経営者としての圧倒的な努力を続けることができ、業績の拡大につなげている。

「勘―感性」がなぜ重要なのか

 実際に越智社長が施工に関わることは少ないが、現場は越智社長が最も重視するところだ。予算から進捗まで、すべてを把握しているからこそ、顧客ニーズを聞き出すことが可能になるのだ。その甲斐あってゼネコンの現場では、従業員が表彰されるなど同社の施工力への信頼は厚い。また、その際には、「よく頑張った」と従業員を励まし、労をねぎらうことも忘れない。

 5年間勤務した税理士事務所での経験を基に、サンヨー建材工業を創業後は計数管理を徹底。しかしながら効率を重んじる面を見せつつも、「勘―感性」の重要性を説く。

 「勘―感性は、私が会社を経営するのに最も大切にしているものです。感性を高めるには、常に顧客の声を聞き、その声を仕事に反映させ進化していくことであり、それを続けていくことが最も重要だと考えています。これが、弊社の理念である『努力と機動力』に集約されています」――越智社長は改めて掲げる理念の重要性を説いた。

<COMPANY INFORMATION>
代 表:越智 多見男
所在地:福岡県飯塚市秋松941
設 立:1977年10月
資本金:1,000万円
TEL:0948-28-7727
URL:http://www.sanyokenzai.co.jp

25周年記念出版雑誌 『一樹百穫』 一覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2020年09月23日 12:04

旭東ホールディングス(株)(大阪)/旭東電気の持株会社NEW!

 大阪地裁に民事再生法の適用を申請していた同社は9月17日、大阪地裁より民事再生法の申請を棄却され同日、破産手続開始決定を受けた...

2020年09月23日 12:04

(有)有楽会館(静岡)/ビジネスホテル「清水プラザホテル」運営NEW!

 同社は9月7日、静岡地裁より破産手続開始決定を受けた...

2020年09月23日 11:08

【ラスト50kmの攻防】新旧知事の”判断”  山口知事は地域の〈光と影〉を懸念NEW!

 佐賀県議会の9月定例会は、開会前の2日、新幹線問題等特別委員会が開かれて国交省の寺田吉道鉄道局次長らを参考人招致して九州新幹線長崎ルートの整備方式を集中審議したこと...

刑事司法とメディア不正支配の本尊NEW!

 安倍内閣が長期化した3つの理由を挙げてきた。 1.刑事司法の不正支配/2.マスメディアの不正支配/3.国民のゆるさ...

2020年09月23日 09:53

福岡市地下鉄、空港線・箱崎線が一部運休NEW!

 福岡市地下鉄の空港線・箱崎線は午前8時30分ごろ空港線赤坂駅で架線点検を行った影響で、午前9時40分現在、空港線は運転見合わせ、箱崎線は10分間隔の運行となっている。

2020年09月23日 07:00

BIS第170回例会~ワシントンDC、ローマを結ぶオンライン開催(10)NEW!

 中川氏は「米中貿易戦争」に関して、ソ連や日本が経験した「トゥキディデスの罠」に言及した...

2020年09月23日 07:00

独自性を高める事業構築NEW!

 2015年1月に設立された総合建設業(株)スエナガ。同社は設立して5年の新鋭企業である。同社の企業スローガンとして『土地に夢を、建物に想いを』を掲げ、賃貸マンション...

2020年09月22日 07:00

BIS第170回例会~ワシントンDC、ローマを結ぶオンライン開催(9)

 最後に、中川十郎BISJ会長は「新型コロナ騒動」のなかで密かに進行している国際政治に目を向け、「一帯一路と米中貿易戦争」について発表した...

2020年09月22日 07:00

健康・安全意識の高まりに乗って、オールミネラル化システムにブレイクの兆し

 独創的な水処理システム『ミネラルクリスター』を製造・販売する(株)クリスター。雨が山の地層を通過し、豊富なミネラルを含んだ名水となって地下から湧き出る―そんな自然の...

2020年09月21日 07:00

BIS第170回例会~ワシントンDC、ローマを結ぶオンライン開催(8)

 井出氏は、新型コロナウイルス感染拡大で世界が求められていることは(1)感染経路の究明、(2)感染防止のための諸国民の努力、(3)専門家、医療関係者への期待・要請...

pagetop