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2020年01月08日 08:00

知財活用の啓蒙で中小企業をサポート 知財流通支援の新たな仕組みをつくる 一樹百穫 

弁理士業
加藤合同国際特許事務所

知財の専門家集団
知財の専門家集団

3,000社の知財に関わる

代表弁理士 加藤 久 氏
代表弁理士 加藤 久 氏

 加藤合同国際特許事務所は、所長・加藤久氏が1994年に設立した。加藤氏は、福岡市役所職員から弁理士になった業界では異色の存在ともいわれる。職員時代は、下水道事業や90年に開催された福岡国体に向けた東平尾公園整備、中央ふ頭再開発などのまちづくりに携わった。ゼロから企画を立ち上げ、完成まで手がけた経験をもつ。用地買収などの難しい仕事もこなした。「ハードな仕事だったが、当時の経験が事務所を設立してからも大いに役立っている」と振り返る。

 事務所設立当初は、「年間1,000人と名刺を交換する」という目標を立て、必死に活動した。また、知的財産(以下、知財)の価値や保護の必要性、活用例などについて地場経営者の意識を高めようと啓蒙活動を続けた。ベンチャー支援にも積極的に関わるなど、知財の認知度向上に貢献。こうした功績が認められ、加藤氏は2014年に「知財功労賞 特許庁長官表彰」を受賞した。

 徐々に相談件数も増え、今まで事務所が関わった企業は約3,000社にのぼる。福岡だけでなく、関東、関西など全国から相談が寄せられ、東京、熊本にも拠点を開設。今では、9名の弁理士を含め国内外の知財の出願に対応する約20名のスタッフを擁する知財のプロ集団を形成している。

 そして、2020年から加藤氏が所長を退き会長職に就き、副所長・南瀬透氏が所長に就任するなど新体制の下、組織の若返りを図る。

全業種が対象となる面白さ

 弁理士の仕事は主に、知財を取得するための申請、取得後の権利保護であるが、ひとくちに知財といっても、いわゆる特許だけでなく社名や商品名などの商標、ロゴマークやデザインなどの意匠も含まれることから、すべての業種が対象となる仕事である。

 実際、同事務所でも機械、電気、化学、材料、ソフトウェア、土木などの多様な技術分野について発明の発掘から特許取得(外国特許取得含む)までの一連の業務を、高い専門技術力を有する経験豊かな弁理士と専門スタッフで総合的にサポートしている。とくに化学、材料分野(医薬、化粧品、機能性食品等含む)については、専門弁理士2人を置く力の入れようだ。

 経済がグローバル化し多くの企業が海外に進出するケースが増え、現地での知財の保護と活用が経営戦略において重要視されるようになってきた。同事務所では、世界各国への外国特許出願、商標の登録・出願、商標権の取得をサポートするため、外国出願に精通した専門弁理士2名と外国専任スタッフ3名を置いている。これまでに手がけた外国特許出願は30カ国以上に約1,000件、外国商標出願は約300件の実績を有す。

 この仕事に携わるということは、さまざまな業界や国のことを学ぶことができるし、世の中の動きを知る機会にもなることから、面白さとともに自身の成長にもつながるといえる。

収益化の支援は企業の光

 「あなたの仕事がお客さまにとって、真にかけがえのないものであれば、決して廃れることはない」。これは、創業時、先行きに不安を感じてもがいていた加藤氏が出会った石川洋氏の言葉である。加藤氏も当時を振り返り「石川さんの言葉に支えられてきました。お客さまにとってかけがえのない存在とは何かを追求し続けてきたし、これからもこの言葉を全職員で共有していきたい」と一貫した思いを語る。

 「お客さまにとってかけがえのない存在」を追求するなかで加藤氏が到達した考えがある。知財は、権利を守ることも大事だが、それを活用していかに利益を上げるかということも必要だということだ。「中小企業こそ知財の活用を意識すべきです。当事務所としても、知財を活用して収益が上がるよう、入り口だけでなく出口までトータルでサポートできる体制を構築したい」と意気込みを語る。

 大企業は社内に専門家を抱え、知財活用を研究している。一方、中小企業では知財の利活用までできていないケースが大半だ。知財の専門家が中小企業の知財活用を支援することで、大きな可能性が見えてくる。弁理士事務所としては異端と思われるかもしれないが、中小企業にとっては光となるはずだ。

新しい価値を提供する事務所

新所長となる南瀬透氏
新所長となる南瀬透氏

 先述の通り、2020年から新たな体制へ移行する。これは、加藤氏が追求する中小企業にとっての知財の「出口づくり」を強化するためだ。加藤氏も「中小企業には眠っている特許がたくさんあります。それを生かすためには、特許の商品化と商品の市場開拓支援、資金援助など特許の収益化を実行、実現することができる専門家チームの編成が不可欠です。今後は、それをつくり上げ運営していきたい」と意気込みを語る。

 さまざまな分野での知財の権利取得と保護の体制をつくり上げたうえで、商品化や販売まで支援してくれる特許事務所の存在は、経営資源が不足しがちな中小企業にとっては心強い限りである。

 すでに「出口づくり」の動きは始まっており、プロジェクトチームづくりを進めている。加藤氏の志を同じくする外部の専門家とのネットワークも着実につくり上げている。

 このように新しい機能を備えた特許事務所で、「お客さまが必要とする真のサービスを提供し、唯一無二の存在に一歩でも近づきたい」という思いを実現するため、一緒に夢を描き走ってくれる人材を求めている。求める人材について加藤氏は「正直な人」だという。新しい価値を提供する特許事務所を一緒につくり上げることに面白みを感じられる人には、絶好の環境だといえるだろう。

福岡オフィスが入る博多駅前ビジネスセンタービル
福岡オフィスが入る博多駅前ビジネスセンタービル

<COMPANY INFORMATION>
代 表:加藤 久
所在地:福岡市博多区博多駅前3-25-21 
設 立:1994年3月
TEL:092-413-5378
URL:https://www.kato-pat.jp

25周年記念出版雑誌 『一樹百穫』 一覧

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