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2019年12月06日 11:19

【政界インサイダー情報】長崎IR、地元行政と財界関係者「競争相手が減った」と前向き発言

 前回(【政界インサイダー情報】鈴木直道北海道知事、IR誘致開発を断念)、筆者は「北海道がIRを断念、鈴木知事の賢い決断に敬意を表する」として、ほかの地方のIR候補地に「他山の石」にすべきではないと警鐘を鳴らしました。

 しかし、長崎県のIR誘致関係者の一部は、「これで競争相手が1つ減った」と喜んでいるそうです。何とお粗末な発言でしょうか!

 もう一度だけ、詳しく説明しましょう。地元・長崎新聞をはじめとした各メディアはいまだに理解していないようだし、この件を報道するなら、もっと勉強すべきです。

 現在のRFC(Request for Concept)というかたちは、あくまでも各カジノ投資企業が各々の理念に基づき、そのコンセプトの概要と完成予想図などを大まかに行政に提出したものです。

 次の公募(Request for Proposal)への開始、すなわち、入札への応募とは、上記各カジノ投資企業が、それぞれ日本側の大手企業(デベロッパーなど)と地元財界企業(個別の企業群)が組んで新たに、誘致開発事業組織(開発事業母体)コンソーシアムの予定を組成しなければ、条件不備となり、管轄行政に申請できません。ここまでは、皆さん何となく理解しているようで、それで「熾烈な競争になる」と言っている訳です!

 しかし、これは「安倍・トランプ密約」の出来レースなので、いずれか1つが先にできてしまえば、ほかは事実上できません!地元財界が各々実行することなどはありません。

 これが本件の真の狙いです、IR法案を作成した安倍内閣府の「忖度官邸官僚」は優秀です、だから競争はありません。

 横浜はSand's、大阪はMGMで、すでに水面下で事前準備がほぼ完了しているはずです。RFP競争は公平性を装う、表向きでは良く練られた「パフォーマンス」なのです!

 なぜなら、この組織組成には、日本側にも本件への巨額で元本保証のないエクイティ(株主資本)投資が必須なのです。この辺りに対して皆さん無知で、地元財界に理解されていないことが大問題なのです!一方、相手側のカジノ投資企業は、それは常識で、日本側はすでに理解しているものと思っているはずです。メディアの皆さん、ここがポイントです。

 各海外カジノ投資企業は、総投資額と「各種デット」と称する資金調達(元本保証のあるもの、借金)の方法は異なりますが、このエクイティ部分(資本と称する資金調達)を日本側が負担するという理屈は変わりません。IR開発は日本法人の新たな設立登記予定が条件で、地元財界からの出資が必須としています(IR実施法案)。

 地元の皆さんは、海外カジノ投資企業が開発事業の全額投資を実行するから、日本側は地元を含めて僅かな負担であり、大きなリスクは、ほぼ生じないと勘違いしています。たとえば、投資総額が4000~5,000億円なら、エクイティへの投資は300~400億円くらいが日本側の負担になるでしょう。

 双方(カジノ企業と日本側)の具体的な交渉はこれからです!これがRFP申請の為の開始条件なのです。だから「コンプライアンス症候群」の日本のサラリーマン組織では、これをクリアすることは大変困難であり、地方都市である長崎の経済力と能力では、1社も組織組成ができません!

 だから、これについて理解しているHISの澤田氏は本件に参加せず、行政から超安価で譲ってもらった土地を高く売却する予定だけというリスクなく儲けられる側にいるのです。すこぶる賢い判断です!

 長崎県は当初から積極的な応援者であるJR九州の石原氏に、このエクイティ部分の一部でもJR九州本体に投資負担してほしいと正式に依頼してみてください!しかし、その迫力と能力はないでしょう。

 北海道の件は「他山の石」ではありません!地方都市では分不相応のIR案件なのです。鈴木知事は賢い決断をしたといえるでしょう。

【青木 義彦】

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