“人づくり、まちづくり、国づくり”福岡を教育の国際拠点へ（前）

一般社団法人福岡県中小企業経営者協会連合会　会長
　小林　専司　氏

会員企業の満足度を高める

　――貴連合会が一般社団法人として設立されて6年が経過しました。現況についてお聞かせください。

　小林会長（以下、小林）　おかげさまで、会員企業は増加傾向にあり、4つの地域の中経協のすべてが増えております。私が当会の会長就任時は約800社だった会員数が、現在は約1,300社（2019年7月現在データ：1,278社）と順調に推移しております。

　これは、4地域の中経協リーダーを始めとする会員企業の皆さまに、日々奮闘していただいているおかげです。それぞれの地域で、独自性をもった活動を行っておりますが、その礎になるのは経営者として地域社会の規範となるべく、会員企業同志それぞれが日々切磋琢磨していることです。人、組織、社会における創造と進化をもたらすためのセミナー、勉強会、交流会を積極的に実行して、歴史や文化そして経営実務を学びながら、地域社会の明るい未来を切り拓くためのネットワークを推進し、積極的な情報発信をそれぞれの中経協で行っております。

　――会員企業の皆さまの地道な活動により、年々活気に満ちた組織になってきていますね。

　小林　4つの中経協で、それぞれ会員同志が連動・連携しながら、共同事業の開発、経営環境の改善と整備、そしてお互いの研さんなど、経営者としての矜恃をもち、それぞれが元気になりながら地域を盛り上げ、活性化させるためにはどうすることがいいのかを、いつも念頭に置き活動しております。どの地域の中経協の活動も、単なる“飲食する”などの顔合わせの交流会は一切やっておりません。いつも、学びの場をこしらえて、お互いが議論しながら成長・進化することを実践しております。

　日々経営者として自社をマネジメントしながらタイトな時間のなか、有益な時間をともに共有するために、創意工夫した活動を行っております。どの会員企業も高い志をもった仲間でありますから、中経協に対する満足度は高いのではないでしょうか。それでも当連合会は現状に甘んじることなく、より会員企業の満足度を高めるための方針と活動を実現していくことが求められます。まだまだ改善の余地はあります。

海外人材との交流

　――貴連合会および中経協の具体的な活動についてお聞きいたします。現在とくに強化されている活動は何でしょうか。

　小林　Globe CA（グローバシーエー）という呼称のグローバルイノベーション事業協同組合を設立し、海外からの技能実習生に日本の高い技術、技能、知識を習得していただきながら、当連合会として人を育てる事業を積極的に行っています。

　――現在、どの国家から人材を受け入れられていますか。

　小林　ベトナム、ミャンマー、フィリピンです。現在事業を立ち上げてから3年目に入り、軌道に乗ってきました。80名の人材が各企業で活躍しております。

　――主に導入している企業の業種についてお聞かせください。

　小林　介護福祉や製造業が主です。国内人材においては厳しい局面に立たされている業界からのリクエストが多いのが現状です。そのような課題に直面しているなかで、結成された協同組合です。当連合会の徳丸順一が専務理事となり、各国の人材を送り出す機関の責任者と綿密なコミュニケーションをとりながら、事業を推進しております。

　――技能留学生の方々の毎日はいかがでしょうか。

　小林　各企業で一所懸命仕事に従事していただいております。この事業において最も大切なことは、各企業の人材不足の課題を解決する以上に、技能留学生の方々が契約満了時に「日本にきて良かった」と心から感じてもらうことです。そのために、3カ月に一度は必ず各人と面談を行っております。やはり日本という異国の地での生活は、各々の国と言葉も違うし習慣、食事などあらゆる生活環境が異なっていることは明白です。そのようななか、より働きやすく生活しやすいように技能留学生の方々をサポートしながら、事業を進めていくことが大切となります。現況、相互間の円滑なコミュニケーションの下、そして所属する各企業の協力により順調に進められております。

（つづく）
【河原　清明】