2024年03月30日( 土 )

社名を名乗らず勧誘し商品送りつける~鹿児島市の健康食品会社に業務禁止命令

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 経済産業省九州経済産業局は2月14日、健康食品や自然食品の販売を手がける(株)RK企画(鹿児島市)に対し、業務の一部(電話勧誘販売に関する勧誘、申込受付および契約締結)を3カ月間停止するよう命じた。停止期間は、2月14日から5月13日までとなっている。

 同社は1989年設立。「元気365」という屋号名で、「伝統手づくりにんにく玉」「国産醗酵黒にんにくウコン生姜」「鹿児島産黒豚」などを自社サイトや電話勧誘などを通じて販売している。

 消費者庁が公表している資料によると、同社は2018年4月頃から、「元気365の〇〇です」「体の調子はどうですか?」などと会社名や勧誘目的を告げず、電話による勧誘販売を行っていた(※1)。

 その際顧客が「要りません」「送らないで」と断りの意思を示しても、「ひと月だけでも飲んでみてください」「いいものだからお試しで飲んでみてください」などと告げ、続けて勧誘を行い、中には請求書の入った商品を送っていたケースも確認されたという(※2)。

 さらには、契約を締結する際の書面に本来記載すべき項目を載せていなかったり(※3)、実際は常時一定価格で販売しているにもかかわらず、「今回だったら数%安くなるのでお得」「今ならキャンペーンで通常10,000円以上するところ7,000円」などと告げ、顧客に販売しようとしていた(※4)。

 九州経済産業局は同社に対し、今回の違反行為の発生原因について調査・分析の上、検証することなどを指示。同社の鹿島良代表に対しても、2月14日から5月13日までの3カ月間、今回業務の停止を命じた範囲の業務を新たに開始することを禁止する命令を下した。

 同社の担当は今回の事態に対し、「従業員に対する研修・教育がきちんとできておらず、法令に対する理解・認識が浅かった」とコメント。「お客さまはもちろん、関係省庁からの通達を真摯に受け止め、社内体制の整備、従業員に対する教育・指導を徹底する」と話した。なお、該当商品についてはすべて返品されており、顧客に請求は行っていないとしている。

【長谷川 大輔】

※1:氏名等の明示義務に違反する行為(名称および勧誘目的不明示)(特定商取引法第16条)
※2:売買契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する勧誘(特定商取引法第17条)
※3:書面の交付義務に違反する行為(記載不備)(特定商取引法第19条第1項)
※4:商品の販売価格につき不実のことを告げる行為(特定商取引法第21条第1項)

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