2024年03月30日( 土 )

消費税、5パーセントに引き下げの可能性が浮上

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 14日午後6時に行われた安倍首相の記者会見での様子は、久しぶりに堂々としたものだった。「コロナウイルスが爆発的に蔓延した諸外国と違い、日本は何とか抑制傾向にあります。国民の皆さまには今しばらく辛抱していただきたいと切望するところです。今後の経済浮揚対策に関しては過去に例のないテコ入れを行います」という自信溢れる応対にさまざまな憶測が流れた。

 そのなかで一番信憑性のあるものは「3年間、消費税を5%に戻すための臨時法案の確立」というものである。1月〜3月の4半期の経済成長率は前代未聞の年率マイナス10%という落ち込みを安倍首相は覚悟しているとか。こうなると前例に構っていてはさらなる責任追及をされる恐れがある。

財務省

「非常事態だからこそ何でもやれる」と読んだのだろう。消費税率を下げることに反対するのは財務省関係者のみで誰もが拍手喝采をしてくれる。

 安倍首相がこうした革命的決断をするのは裏に「智恵者」がいるからである。今回の「裏方のヒーロー」は経済産業省出身の今井尚哉氏と警察庁出身の北村滋氏の両氏だと囁かれている。まぁ、大半は今井尚哉氏の辣腕によるもので、菅官房長官の存在を超えたところで消費税を5%に戻すプロジェクトが進んでいるということになる。ここで菅氏が「顔を潰された」と喧嘩をしても負けるに決まっている。安倍首相が承知したうえでのことだからである。

 もう1つ決定的なことは財務省の意向をまったく無視したという事実。長年、安倍政権を支えてきた麻生大臣を蔑ろにして消費税率5%を強行することになる。麻生氏も政治生命をかけて反対するだろう。しかし、未曾有の経済恐慌の恐れが懸念される事態に個人の面子などあったものではない。必要なのは景気を回復させるための大胆な政策なのだ。

 財務省関係者からの信用を失えば麻生副総裁の政治パワーはガタ落ちになっていくだろう!コロナウイルス蔓延の陰ではすごい権力闘争が展開されているのである。

関連記事