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2015年10月02日 07:03

ワタミ、メッセージ~老人ホームビジネスが大混迷(後)

赤字になるから社員の給与は上げない

roujin (株)メッセージの創業者は、橋本俊明会長(66)。岡山大学医学部を卒業。81年に橋本胃腸科外科医院(現・岡山光南病院)を開業。91年、リハビリ主体の老人保護施設を立ち上げると、そこから介護事業にのめりこみ、医療法人・敬友会も設立。
 97年5月、有料老人ホームを運営する(株)メッセージを設立。00年に介護保険制度が施行されると、従来は自治体主体だった介護サービス分野に民間事業者が自由に参入できる環境が整った。「アミーユ」を創設、04年4月にジャスダックへの上場を果たした。
 入居一時金無料、低料金をウリに有料老人ホームの入居者を募った。「アミーユ」(有料老人ホーム)、「Cアミーユ」(サービス付高齢者向け住宅)を運営。転落死事故の「Sアミーユ」はメッセージグループの中では高級だが、それでも22万円。全国平均(24万円)を下回る。
 15年3月期時点で全国に303施設を展開、総入居者数は1万6,000人を超える。売上高は前期比6%増の789億円、純利益は同27%増の43億円。ROE(自己資本利益率)は16.0%と優良企業だ。理由は人件費の切り詰め。グループの従業員は7,227人(外、臨時雇用者が1万645人)。正社員の平均給与は358万円。同業者と比べて50万円低い。赤字になるから給料を上げないのがポリシーなのだ。

損保ジャパン日本興亜が介護ビジネスに参入

 安倍晋三首相が掲げた「新3本の矢」の新政策の柱の1つが社会保障。介護離職者が年間10万人を超えている現状を憂い、「介護離職者ゼロ」のという目標を掲げた。それをビジネスチャンスととらえたのが損保ジャパン日本興亜ホールディングスだ。今年3月、(株)メッセージと資本・業務提携。株式の3.5%を取得して2位の株主に。続いてワタミ(株)の介護事業を200億円で買収する。
 介護業界には2つのビジネスモデルがある。1つは有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅といった施設を自前で建設し運営するもの。もう1つは、訪問介護や通所介護(デイサービス)を主体とするもの。ワタミとメッセージは前者。
 損保ジャパン日本興亜は在宅分野のサービスを充実させ、新たな民間介護保険商品を開発するのが狙いだ。しかし、その前には大きな壁が立ち塞がる。大量の介護離職者を生み出しているのは低賃金が原因だ。介護職の給与水準を全産業平均に引き上げなければ、介護人材が集まらない。介護ビジネスの厳しい現実だ。

(了)

 
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