武漢市が76日ぶりに封鎖を解除~公共交通機関の利用状況は元の10%以下
2020年4月10日 13:26
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中国は、新型コロナウイルスの発生地とされる武漢市の封鎖を、8日午前0時をもって解除した。これにより国内旅客線の北京行きを除き、全国との行き来が可能となった。中国の報道は、長い自宅待機状態から解放された武漢市民の高揚を伝えている。
武漢市の地下鉄、路線バスなどは3月下旬から部分的に運行を再開していたが、4月8日の地下鉄、路線バスの延べ利用者数はそれぞれ33.6万人、18.4万人と計52.0万人にとどまっている。地元紙が昨年報じたところでは、2019年上半期の1日の地下鉄、路線バスの平均延べ利用者数は811万人であり、当時の6.4%にとどまっている。タクシーに関しても、稼働しているのは20%に満たず、かつその1車あたりの輸送回数も元の20%程度だという。

テレワーク、自家用車、または職場の手配するシャトルバスなどによる出勤が増えているとしても、外出が控えられている様子がうかがえる。中国は地方都市でも高層ビル、高層マンションが群立していて人口密度が高いため、予防策として、外出を控え、人との接触機会を減らすことが引き続き大事である。
長い自宅待機のためストレスが溜まっていた市民が観光地などに殺到することにより、感染が再度広がることも懸念されている。欧米など海外からの帰国者が中心だが、新規感染者は再び増えている。武漢市の飲食店、観光地の営業には時間の制限、人との距離を取るなどの措置が取られているところもあるようだ。湖北省のケースではないが、世界遺産の黄山(安徽省)は観光客が殺到したため、政府が入場制限を指示しており、緊張を強いられる日々が続くことに変わりはない。
【茅野 雅弘】
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