2024年03月29日( 金 )

中国経済新聞に学ぶ~中国の5G基地局、年内に60万基を突破へ

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 工業・情報化部(省)が明かしたところによると、同部は5Gネットワークの建設推進を加速し、年末までに5G基地局を60万基以上にする予定だ。地級市(省と県の中間にある行政単位)の屋外の連続的なカバー、県の中心地および郷・鎮の重点カバー、重点シーンの屋内カバーを実現する。

 工業・情報化部(省)は「5Gの発展加速の推進に関する通知」を発表し、5Gの建設ペースを加速する方針を打ち出しだ。「通知」にはどのような重要な内容が含まれ、発展加速は何をもたらすのだろうか。

5G建設加速重点県・鎮へ延伸してカバーを

 「通知」によると、基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者の支援ではSA(スタンドアローン)形式のネットワークを目標に掲げ、NSA(非スタンドアローン)形式のネットワークの建設規模を抑制し、主要都市のネットワーク建設を加速推進するとともに、条件を満たした重点県・鎮へ徐々に延伸してカバーすることを目指すという。

 3大通信キャリアの最新のデータによれば、2月末までに全国で建設され稼働開始した5G基地局は16万4千基に上り、年末には55万基を超える見込みで、地級市(省と県の中間にある行政単位)の屋外での連続的カバー、県の行政中心地と郷鎮の重点的カバー、重点シーンでの屋内カバーの実現を目指すという。

 中国情報通信研究院の王志勤副院長は、「5Gという新型のインフラの建設はモバイルネットワークの状況を根本的に変えるだけでなく、データ要素の生産、流動、利用を促進し、さらに各業界・各産業の連携協同、サービスの提供がよりスムーズになり、1兆レベルの5G関連製品・サービス市場の構築を促す」との見方を示した。

 「通知」が一部の重要な情報を明らかにしたことが注目される。そのなかには700メガヘルツ(MHZ)帯周波数割当計画の調整、700MHZ帯5G周波数割当許可の加速実施、5Gマイクロ波帯の一部の周波数割当計画のタイミングをみての発表が含まれる。

8兆元の新興消費をもたらす

 「通知」は、新型消費モデルを育成することを打ち出し、その内容には、5GとVR(仮想現実)・AR(拡張現実)との融合、競技のライブ配信、ゲーム・エンターテインメント、バーチャルショッピングなどの応用を推進し、新型の情報消費を促進することが含まれる。基礎電気通信事業者、メディア企業、コンテンツサプライヤーなどの協力の強化を奨励し、教育、メディア、エンターテインメントなどの分野での4K/8K、VR/ARなどの新型マルチメディアコンテンツの源泉を豊富にすることも含まれる。

 王氏は、「5G時代の到来により、私たちはより高速で、より通信料金の安いネットワークを利用できるようになるだけでなく、スマート端末、ウェアラブル端末、スマートホームなど各方面で多様な消費製品を生み出し、さらには消費シーンを極めて豊富にし、EC、政務サービス、オンライン教育、オンライン娯楽などの面で大量の新たな消費を生み出すことになる」と述べた。

 同研究院の試算では、2020年から25年までの間に、5G商用化が8兆元(約121兆円)規模の新たな消費をもたらす見込みだ。
 同研究院の試算では、25年には5Gは300万人分以上の雇用を直接生み出すという。
 また王氏によると、「25年には5Gネットワーク建設投資は累計1兆2,000億元(約8兆円)に達し、関連投資累計3兆5,000億元(約53兆円)以上を牽引すると予想される」という。


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