2024年04月20日( 土 )

次世代冷暖システム「F-CON」を核に、世界に羽ばたく「FUTAEDA」へ(後)

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FUTAEDA(株)代表取締役社長 二枝 たかはる 氏

 アニーグループの4社(KFT(株)、ユア・ハーベスト(株)、グレートモーニング(株)、(株)遊星)を合併・統合し、今年4月に新たな社名として生まれ変わったFUTAEDA(株)。健康・快適空間事業と位置付ける送風のない次世代冷暖システム「F-CON」を核に、ホテル事業「GREAT MORNING」や健康食品・雑貨事業「Annyのお気に入り」などを手がける同社は今後、世界的なパラダイムシフトが起こりつつあるなかで、どのような手を打っていくのか―――。同社代表取締役社長・二枝たかはる氏に聞いた。

(聞き手:(株)データ・マックス 代表取締役 児玉 直)

変わる世の中の仕組み、時流に乗ってチャレンジを

 ―現在の新型コロナについては、御社にとってどのような影響があると考えていますか。

 二枝 この世界的な規模の感染症拡大の影響は、大きく2つあると考えています。まず、これだけ経済的なダメージが出ていますから、今後しばらくの間は、皆さん大きな金額を動かすことについて、躊躇するようになるでしょう。つまり、新築やリフォームの需要については、全国および世界的に慎重になると思います。そうなると、当社の「F-CON」は高付加価値の商品ですので、この2~3年は非常に厳しい時代が来ることを覚悟しています。

 一方で、米CDC(アメリカ疾病予防管理センター)などが、新型コロナウイルスの感染経路を調べたところ、エアコンの風に乗ってウイルスを含んだ飛沫がより遠くまで運ばれていった―という事例を報告しています。実は、こうした温風・冷風を吹き出すことで部屋を暖める・冷やすといった現在のエアコンの原型は、1906年にアメリカのウィリス・キャリア氏が特許を取得したことに始まっており、それから約120年近くもの間、基本的な部分は変わっておりません。

 そうなると、テレビや電話機など、さまざまなものの文化が変わっていくなかで、そろそろ冷暖房のやり方も、次世代・近未来に合わせたものに変わっていかなければならないのではないでしょうか。その点、当社の「F-CON」は無風・無音が特長ですからウイルスを運ぶ危険性もありませんし、今回の新型コロナを契機に世の中の仕組みが変わっていくなかで、従来型のエアコンから「F-CON」への転換も進んでいくのではないかと期待しています。

 そのため、今回のコロナによってもたらされる影響は、かたや購買に関して皆が慎重になる半面、風の出ない次世代型エアコン「F-CON」を受け入れる社会的な土壌が形成されてくるのではないか、という2つの面があると見ています。

 ―今回のコロナ襲来が、追い風になる側面もあるということですね。

 二枝 加えること、もう1つ。今回のコロナでの“三密”回避や外出自粛などをきっかけとして、企業などでのリモートワークなどのオンライン化が急速に普及しつつあります。私自身、4月からはオンラインを駆使しながら、毎日朝から晩までオンラインでの商談を進めているのですが、これに私はとてつもない可能性を感じています。

 というのも、たとえばこれまでの常識ですと、ウチと提携している各工務店さんが頑張って、お客さまに対して販売を行っていましたが、当然ながら工務店さんの得手・不得手によって、販売実績の差がありました。それを、たとえば今後は工務店さんに集客していただければ、あとはオンラインで当社の社員がお客さまに対する説明を直接行うことができます。きちんとした商品説明動画などを活用し、その前後にリアルタイムでお客さまとお話しさせていただくことで、これまでの商談の仕方や営業スタイルをガラッと変えられるのではないかと思っています。

 ―各工務店さんに頼っていたお客さまのサポートを、御社が直接行うことができるわけですね。

 二枝 そうです。オンラインによってお客さまとの対話がものすごくやりやすくなったと思いますし、我々にとってはすごいチャンスだと思っています。

 ―日本市場については今後、「F-CON」の普及促進に向けて、どのような手を打っていかれるのでしょうか。

 二枝 たとえば、極端な例になるかもしれませんが、自転車の相場が1万円だとすれば、バイクはその10倍の10万円。車になるとさらに10倍の100万円で、車でもちょっと高付加価値のものになれば1,000万円―と、物のかたちや機能が進化していけば、その分金額も10倍単位で変わっていくように思っています。そういう意味では現在、1家庭でエアコン機器類に20~30万円使っているとすれば、同じ冷暖房でも「F-CON」は機能面で随分と進化していますから、200~300万円くらいまでは受け入れていただけるような状況が、来つつあるのではないかと思っています。

 そうなると、必要になってくるのは、さらなるコストダウンです。「F-CON」も、販売を開始した10年前に比べると、約3割安くなっています。これをあと4割下げることができれば、機能性の費用対効果からも、皆さんに迷うことなく「F-CON」を選んでいただけるようになると思っています。そのためには、さらなる量産体制を構築してコストダウンに努める必要がありますが、そのチャレンジの意味でも、冒頭に申し上げた「FUTAEDA」の社名で、不退転の決意を表明したつもりです。今後、「F-CON」のさらなる普及促進に向けて、チャレンジを続けていきます。

(了)

【坂田 憲治】


<COMPANY INFORMATION>
FUTAEDA(株)

所在地:福岡市博多区店屋町3-23
設 立:1999年3月
資本金:1億円
TEL:092-281-1200
URL:https://www.futaeda.com


<PROFILE>
二枝 たかはる(ふたえだ・たかはる)
1959年、福岡県生まれ。88年にライフショップ「Annyのお気に入り」、2003年にストーンスパ「石の癒」を開業。オリジナル商品を主軸とした雑貨業や独自開発のストーンスパ、次世代冷暖システム「F-CON」(旧・名・光冷暖)など、ユーザーの生活に寄り添った商品開発を実施している。20年4月にグループ4社を合併・統合して自らの名前を冠した社名「FUTAEDA(株)」とし、代表取締役社長に就任した。

(前)

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